NTTアノードエナジーと自然電力がカーボンニュートラル実現に向け、エネルギーマネジメント領域において業務提携に合意
- NTTアノードエナジー株式会社と自然電力株式会社は、地域のカーボンニュートラルを促進するIoT技術を活用したエネルギーマネジメント領域における業務提携に合意。
- 電力ピークカットサービス「EVスマート充放電サービス」を2023年3月から提供開始予定。
NTTアノードエナジー株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:岸本照之 以下、NTTアノードエナジー)と自然電力株式会社(本社:福岡県福岡市、代表取締役:磯野謙、川戸健司、長谷川雅也 以下、自然電力)は、カーボンニュートラルを促進するIoT/AI技術によるエネルギーマネジメント領域での業務提携に合意しました。両社は全国の自治体・企業のお客様のカーボンニュートラルを推進することを目的に共同でインテグレーション・ソリューションを開発します。
第一弾として2022年9月より西日本電信電話株式会社山口支店の協力を得て、共同開発・実証に取組んでいるEVスマート充放電サービスを2023年3月から提供開始予定です。
1. 背景
2050年カーボンニュートラルに向けた日本政府の宣言を踏まえ、地域や企業において、再生可能エネルギー(以下、再エネ)の導入や電気自動車(以下、EV)へのシフト、加えて昨今の自然災害の激甚化に対応できる電力レジリエンス強化が課題となっています。これらの課題解決に資するソリューションを共同開発することで、地域や企業のカーボンニュートラルや電力レジリエンス強化の実現に貢献します。
2. 業務提携の内容および役割分担
本業務提携により、EVの充放電制御(ピークカット、ピークシフト)*1による電力費用の削減および電力レジリエンス強化を実現するソリューションパッケージの商品化をはじめ、今後は、自然電力が各地で取り組んでいるマイクログリッド、経済産業省の「再生可能エネルギーアグリゲーション実証事業」等におけるEMS・運用ノウハウの提供を受け、NTTアノードエナジーグループ保有のリソースを用いたアグリゲートによるVPP*2の検討等を加速し、全国の自治体・企業のお客様のカーボンニュートラル推進に資するインテグレーション・ソリューションを提供していきます。
また、EVについては動く蓄電池の特性を踏まえ、EV車載蓄電池の劣化状態SOH*3を踏まえた正味の蓄電残量SOC*4や位置情報等のEV車両情報およびEV充電器情報を見える化し、地域に無数に点在するEVのSOC等を統合管理・充放電可能量をAI予測することで、移動手段としての利便性を妨げることなく、再エネ地産地消の向上に効率的に活用可能なサービスを共同開発します。
社名 | 役割 |
NTTアノードエナジー |
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自然電力 |
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3. EVスマート充放電サービス概要
自治体・法人の高圧電力施設にEV充放電器(V2B)*6と太陽光発電設備を設置し、ビルのピーク消費電力予測と太陽光発電予測を用いてピークカットが必要な日・時間を精度良く予測し、消費電力制御を実現することで、電力料金を削減します。また、大規模自然災害時、太陽光発電施設からEVへの充電によりレジリエンス力を強化します。
<提供する価値>
- EVからの放電と太陽光発電の自家消費による電力ピークカット(電力基本料金の削減)
- EV充電のピークシフトによる電力ピークの抑制
- 太陽光発電設備から高圧施設へのグリーン電力の活用
- 大規模な自然災害・停電時、太陽光発電施設からのEVへの充電によるレジリエンス強化
<サービスイメージ>
<電力見える化画面イメージ>
4. 今後の取り組み
NTTアノードエナジーと自然電力は、インテグレーション・ソリューションの共同開発を通じ、全国の自治体・法人のお客様の再エネ導入や電力レジリエンス強化に向けた取り組みを加速させていきます。さらに、発電設備、定置型蓄電池、EV車両等のエネルギーリソースをVPPとして活用することでサスティナブルな脱炭素社会の実現に貢献します。
*1 ピークシフトは電力需要の多い時間帯の電力消費の一部を、電力需要の少ない時間帯に移行させて電力を効果的に活用し、電力需要の平準化を行います。ピークカットは電力使用量が最も多い時間帯に電力利用量を削減することです。
*2 「Virtual Power Plant」の略で、地域内に分散している複数の分散型エネルギーリソースを、ICTを活用してあたかもひとつの発電所であるかのように統合・制御し、電力の需給バランス調整を行う仕組みです。
*3 「State of Health」の略で、健全度や劣化状態を表す指標です。
*4 「State Of Charge」の略で、電池の残容量を表す指標です。
*5 Shizen Connect(シゼンコネクト)は、再生可能エネルギー発電設備や蓄電池・EV・EQなどのエネルギーリソースを統合的に制御するアグリゲート・エネルギーマネジメント・システムであり、自然電力の登録商標です。
*6 「vehicle to building」の略で、自動車とビルの間で電力相互供給する技術やシステムの略称です。
【NTTアノードエナジーについて】
NTTアノードエナジーは、NTTグループの保有する技術、アセットを活用したスマートエネルギー事業を推進する事業会社として、NTTグループのシナジーを最大限に発揮し、再生可能エネルギー発電設備や蓄電池等の分散エネルギーリソースをより高度に活用するソリューションの開発・提供を通じ、パートナー企業様とともに新たなエネルギー流通の仕組みを創り上げ、産業の活性化、および持続可能な社会を実現して参ります。
(URL:http://www.ntt-ae.co.jp)
【自然電力について】
2011年6月設立。「青い地球を未来につなぐ」を掲げ、太陽光・風力・小水力・バイオマスによる再生可能エネルギー発電所の開発・資金調達・アセットマネジメントを手掛ける。2016年より海外事業にも注力しており、東南アジア・ブラジルを中心に開発・発電事業を展開している。また、2019年からはエネルギーテック事業に参入し、自社開発のEMS(エネルギー管理システム)により、マイクログリッドやVPPの構築やEVのスマート充放電サービス等を提供する。これまでグループとして国内外で1ギガワット以上の再生可能エネルギー発電事業に携わっている。
(URL:http://www.shizenenergy.net)
【「Shizen Connect」について (Webサイト https://se-digital.net/connect)】
Shizen Connect(シゼンコネクト)は、再エネ発電設備や蓄電池・EV・EQなどのエネルギーリソースを集合的に制御するアグリゲート・エネルギーマネジメント・システムです。住宅の太陽光発電と蓄電池、EV充電器などの制御から、複数の建物を自営線などで繋いだマイクログリッドの制御、数千台規模のエネルギーリソースによるVPP制御などが実現できます。これまで分断されがちな個別の制御とVPP制御などをワンストップで提供できるので、エネルギーリソースをマルチパーパスで利用することで経済性を向上させられ、またベンダーフリーなのでメーカー依存なくエネルギーリソースは自由に選定できます。