Shizen Connect、EVからの充放電を利用した国内最大級のVPP実証を完了
VPP(*1)プラットフォーム開発会社の株式会社Shizen Connect(以下、Shizen Connect)は2024年1月、経済産業省が実施する「令和5年度 分散型エネルギーリソースの更なる活用に向けた実証事業」(以下、DERアグリ実証事業)の一環として、186台の家庭用EVのEV充放電(V2H)機器経由での遠隔制御によるVPP実証を実施いたしました。本実証の規模は、V2H機器を用いたVPP実証として国内最大級であり、かつ世界的にみても最大規模の事例となります(*2)。
DERアグリ実証事業は、蓄電池やEVなどのDER(分散型エネルギーリソース)をVPP化することで、電力市場や小売電気事業者、発電事業者などに調整力や供給力などを提供することを目的とした実証事業であり、Shizen Connectは2023年6月に採択されました(*3)。
Shizen Connectはこれまでに、DERを活用した需給調整市場の全ての種類の調整力制御、容量市場の発動指令電源としてのDR制御(*4)、小売電気事業者の電力調達コストの削減及び需給ひっ迫緩和を目的とした経済DR制御といったVPP制御を網羅的に実証してきました。その中で、2023年12月には家庭用蓄電池を用いた低圧VPPの分野で大手小売電気事業者8社との共同実証の実施を発表した(*5)ほか、EV普通充電器(*6)やV2H機器(*7)、エコキュートを用いたVPP制御の実証も実施しています。
今回の実証では、Shizen Connectが自社で開発するアグリゲート・エネルギー管理システム「Shizen Connect(シゼンコネクト)」を活用して、186台の家庭用EVに対してV2H機器経由での遠隔制御を実施し、経済DR制御、及び需給調整市場(三次調整力②)向け制御の技術性を検証しました。
結果として、経済DR制御、需給調整市場向け制御のいずれにおいても、接続可能なEVに関しては指示値に対し9割程度の精度で充放電制御が可能であることを確認しました。また、通信状況や時間帯別駐車率等に関する実績データを取得、分析することで、EVを活用したVPPサービスの今後の商用化を目指すにあたって有用な知見を獲得することができました。
Shizen Connectでは自然エネルギーの拡大・普及にあたり、自然エネルギー電源の開発だけでなく、再エネによる電力の供給と需要をバランスさせる仕組みが不可欠と考えVPPプラットフォーム事業を展開しています。今後も分散型電源の普及促進を通じて、脱炭素化社会の実現に向けた貢献を続けてまいります。
■実証スキーム
*1 Virtual Power Plant(仮想発電所):分散型電源(発電設備、蓄電池、EVなど)や需要設備を遠隔で統合・制御することで、あたかもひとつの発電所のように機能させること。
*2 当社調べ
*3 自然電力、経産省「DERアグリ実証事業」に採択(2023年6月26日付プレスリリース)
https://www.shizenenergy.net/2023/06/26/aggregation_demonstration_project_r5/
*4 DR(ディマンド・リスポンス)制御:電力の需要と供給のバランスをとる目的で、需要家側の電力使用量を制御することによって電力パターンを変化させること。
*5 大手小売電気事業者8社がShizen Connectによる低圧VPPの共同実証を実施(2023年12月5日付プレスリリース)
https://www.shizenenergy.net/2023/12/05/dr_support_demo_8_retailers/
*6 日東工業とShizen Connect、VPP構築を見据えたOCPP仕様のEV普通充電器を活用したDR実証を実施(2024年2月6日付プレスリリース)
https://www.shizenenergy.net/2024/02/06/nitto_sc_ocpp_evcharger/
*7 Shizen Connectは東北電力が実施するEVを活用したピークカット制御とVPP運用の実証に参画(2023年12月1日付プレスリリース)
https://www.shizenenergy.net/2023/12/01/sc_tohoku_ev_manage_experiment/
【エネルギー管理システム「Shizen Connect」について:https://www.se-digital.net/】
「Shizen Connect」は再エネ発電設備や蓄電池・EV・エコキュートなどのエネルギーリソースを集合的に制御するアグリゲート・エネルギー管理システムです。蓄電池やEV充電器などの個別制御から、複数の建物を自営線などで繋いだマイクログリッド制御、大規模のエネルギーリソースによるVPP制御などが実現できます。分断されがちだった個別の制御とVPP制御などをワンストップで提供でき、エネルギーリソースをマルチパーパスで利用することで経済性を向上させられます。またベンダーフリーなのでメーカーに依存することなくエネルギーリソースは自由に選定できます。
【株式会社Shizen Connect 会社概要】
会社名 :株式会社Shizen Connect
本社所在地:東京都中央区日本橋本町2丁目4番7号
設立 :2023年10月2日
株主構成 :自然電力株式会社100%
代表者 :代表取締役 松村宗和
事業内容 :VPPプラットフォーム事業、エネルギー管理サービス事業、IoT機器販売事業など
URL :https://se-digital.net