Shizen Connectが電力IoT用エッジ端末「Shizen Box2」を発売
- 制御可能なエネルギーリソースを拡大しつつ低価格化を実現 -
【プレスリリースの訂正 2024年5月2日更新】 2024年5月1日弊社発表のプレスリリースに一部記述の誤りがございましたので、下記のとおり訂正させて頂きます。 訂正箇所 第1パラグラフ3行目 |
VPP(*1)プラットフォーム開発会社の株式会社Shizen Conect(以下、Shizen Connect)は、家庭用蓄電池等の各種エネルギー機器と接続し、遠隔からの監視・制御を可能にするためのエッジ端末「Shizen Box 2」(表1)を2024年秋(予定)に発売いたします。初年度の販売目標は5,000台です。
2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、再エネ電源や蓄電池等の分散型リソースを最大限活用し、安定した電力システムを構築していくことが重要な課題とされています。その中で、家庭用蓄電池等による低圧VPPも、2026年度からの需給調整市場への参加が認められるなど、電力システムの安定化に必要な調整力としての期待が高まっています。
こうした背景から、Shizen Connectは自社で開発・運用するエネルギー管理システム「Shizen Connect」(以下、「Shizen Connect」)を通じて、低圧VPPを実現する以下のような網羅的な制御を提供しています。
- 需給ひっ迫対策DR(*2)
- 小売電気事業者向けの電力調達コストと容量拠出金の削減制御(*3)
- 需給調整市場の全ての調整力制御と容量市場の発動指令電源DR制御(*4)
- エコキュートを活用した上げDR(需要創出DR)(2024年中に実証予定)
「Shizen Connect」を利用するには制御対象機器をインターネットに接続させる必要があり、機器メーカーが遠隔制御システムをもつ場合には「Shizen Connect」とクラウド連携させることで遠隔制御していますが、そうでない場合には制御対象機器に接続して通信を担うエッジ端末が必要です。
これまでShizen Connectでは汎用のハードウェアに自社開発したソフトウェアを搭載した電力IoT用エッジ端末「Shizen Box」を販売してきましたが、今回ハードウェアを電力IoTに特化して製造することで機能性・接続性と低価格を実現したのが「Shizen Box 2」です。
「Shizen Box 2」は家庭用蓄電池のほか、EV普通充電器やV2H機器、エコキュート等の多様なエネルギー機器と、メーカーを問わず連携し制御することが可能です(図2)。またECHONET-LiteやModbusなどの各種プロトコルに対応しており、利用可能なインターフェースの種類は業界最多クラスです(表2)。
「Shizen Box 2」は以下のような様々な利用例が想定されます。
ユーザー | 利用例 |
小売電気事業者 | 需要家宅に「Shizen Box 2」を導入することで、家庭用蓄電池等のエネルギー機器を遠隔制御可能にし、VPPとして統合制御して調整力を創出 |
機器メーカー | 自社製の家庭用蓄電池等のエネルギー機器と「Shizen Box 2」をセット販売することで、自社の遠隔制御システムの代用としてVPP化を実現 |
蓄電池販売会社 | 家庭用蓄電池と「Shizen Box 2」のセット販売により、経済産業省や都道府県のDR関連補助金の要件を満たし、遠隔制御可能な機器としての導入を促進 |
PPA事業者、EV充電サービス事業者等 | サービス地点に「Shizen Box 2」を設置することで、料金計算や機器稼働管理のための電力データを遠隔で自動取得 |
手頃な価格で高機能を実現した「Shizen Box 2」により、低圧VPPの普及と遠隔制御可能なリソースの拡大に貢献したいと考えています。
Shizen Connectは今後も分散型電源の普及促進を通じて、脱炭素化社会の実現に向けた貢献を続けてまいります。
表1 製品仕様
項目 | 仕様 |
本体寸法 | 130mm x 93mm x 30mm |
付属品 | ACアダプタ、本体接続用LTE-Mアンテナ (オプション:Wi-Sunドングル) |
無線通信機能 | モバイル通信 (LTE-M)、Wi-Fi、Bluetooth |
インターフェース | LAN(RJ-45) x 1、USB 2.0 host x1、RS485(半二重)×1 (拡張インターフェース:Digitai Input×2, Digital Output×1, Analog Input×1) |
対応プロトコル | Modbus RTU/TCP、ECHONET Lite、独自プロトコル |
電源 | DC 5(4.75~5.25)V |
設置場所 | 屋内 |
動作保証温度 | 0~+40℃ |
動作保証期間 | 1年 |
図2 対応機器及びメーカー一覧(2024年4月時点)
※1 遠隔検針を行う場合のみ利用可能
※2 「エコキュート」は、電力会社・給湯機メーカーが推奨する自然冷媒(CO2)ヒートポンプ給湯機の愛称であり、関西電力株式会社の登録商標です。
表2 対応するインターフェース及びエネルギー機器
Shizen Box2 | A社 | B社 | |
利用可能なインターフェース |
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遠隔監視可能なエネルギー機器 (赤字は遠隔制御も可能) |
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■「Shizen Box 2」接続確認済み機器一覧
https://se-digital.net/240501₋shizen-box_device-list.pdf
*1 Virtual Power Plant(仮想発電所):分散型電源(発電設備、蓄電池、EVなど)や需要設備を遠隔で統合・制御することで、あたかもひとつの発電所のように機能させること
*2 DR(Demand Response)制御:電力の需要と供給のバランスをとる目的で、需要家側の電力使用量を制御することによって電力パターンを変化させること
*3 機器制御型DR支援サービスの提供開催については下記参照
小売電気事業者向けに需給ひっ迫対策とコスト削減を行う 「機器制御型DR支援サービス」を提供開始(2023年5月15日付プレスリリース)
https://www.shizenenergy.net/2023/05/15/digital_dr_support/
*4 DR制御の網羅的な実証については下記参照
自然電力、経産省の再エネアグリおよびDERアグリ実証事業採択を受け、 蓄電池メーカー複数社と共同で小売電気事業者向け調整力等の創出へ(2022年6月1日付プレスリリース)
https://www.shizenenergy.net/2022/06/01/aggregation_demonstration_project/
【エネルギー管理システム「Shizen Connect」について:https://www.se-digital.net/】
「Shizen Connect」は再エネ発電設備や蓄電池・EV・エコキュートなどのエネルギーリソースを集合的に制御するアグリゲート・エネルギー管理システムです。蓄電池やEV充電器などの個別制御から、複数の建物を自営線などで繋いだマイクログリッド制御、大規模のエネルギーリソースによるVPP制御などが実現できます。分断されがちだった個別の制御とVPP制御などをワンストップで提供でき、エネルギーリソースをマルチパーパスで利用することで経済性を向上させられます。またベンダーフリーなのでメーカーに依存することなくエネルギーリソースは自由に選定できます。
【株式会社Shizen Connect 会社概要】
会社名 :株式会社Shizen Connect
本社所在地:東京都中央区日本橋本町2丁目4番7号
設立 :2023年10月2日
株主構成 :自然電力株式会社100%
代表者 :代表取締役CEO 松村宗和
事業内容 :VPPプラットフォーム事業、エネルギー管理サービス事業、IoT機器販売事業など
URL :https://se-digital.net