Shizen Connect、関西電力と容量市場向け低圧VPP実証を実施

- 関西電力が家庭に設置するHEMSとシステム連携し、2025年度以降の商用運用を目指す -

2024.05.30[プレスリリース]

VPP(*1)プラットフォーム開発会社の株式会社Shizen Connect(以下、Shizen Connect)は、関西電力株式会社(以下、関西電力)と家庭用蓄電池の制御による容量市場への参入に向けた共同実証(以下、本実証)を実施します。なお本実証は、関西電力が実施中の「太陽光発電、蓄電池、エコキュートを利用した住宅におけるHEMS(ホーム・エネルギー・マネジメント・システム  *2)の実証」(*3)の一環として実施するものです。

関西電力は2024年4月より、一般家庭のモニターを対象として家庭用の太陽光発電設備やエコキュート、蓄電池をHEMSにより最適制御する実証を開始していますが、その一環として、将来の我が国の発電できる能力を確保するために開設された容量市場での取引を想定して家庭用蓄電池を制御する実証を計画しています。

この実証において、Shizen Connectが開発・運用するVPPプラットフォーム「Shizen Connect」(以下、「Shizen Connect」)とHEMSをシステム連携することで、家庭用蓄電池の容量市場向け制御を実現します。

「Shizen Connect」の特長の一つに「マルチパーパス」があり、既に需給ひっ迫対策や卸市場価格に連動した電力調達コスト削減、容量拠出金削減などのDR制御を「機器制御型DR支援サービス」として提供していることをはじめとして(*4)、各種のDR制御に対応しています(図2)。また、もう一つの特徴が「ベンダーフリー」で、家庭用蓄電池、EV普通充電器やV2H機器、エコキュート、そして本実証の対象であるHEMSなど、幅広いメーカーの多様な機器と連携し制御することが可能です。

本実証では、容量市場の発動指令に相当する指令をShizen Connectが模擬的に作成して、システム連携をしている関西電力が設置するHEMS経由で実証参加者が保有する家庭用蓄電池を遠隔制御します。本実証における技術性評価と課題抽出を経て、2025年以降、関西電力とともにHEMS経由での家庭用蓄電池制御による容量市場参入を目指します。

Shizen Connectでは今後も引き続き、各分野のリーディングカンパニーと共に、脱炭素化社会の実現に向けた貢献を続けてまいります。

 

図1:本実証のスキーム

表1 本実証の概要

目的

HEMS経由での家庭用蓄電池の制御による容量市場への参入可能性の検証

実証期間

2025年1月 ~ 2025年2月

評価方式

技術性評価(制御指示に対するリソースの追従性)

関西電力の役割

・リソースアグリゲーターとしての実証参加者からの制御許諾の取得、各種調整
・HEMSサーバ経由での家庭用蓄電池制御

Shizen Connectの役割

・容量市場発動指令に相当する模擬的な指令の作成
・制御計画の立案とHEMSサーバに対する制御指示
・技術性の検証と報告書作成

 

図2 「Shizen Connect」の提供する制御一覧

 

*1 Virtual Power Plant(仮想発電所):分散型電源(発電設備、蓄電池、EVなど)や需要設備を遠隔で統合・制御することで、あたかもひとつの発電所のように機能させること。

*2 HEMS(ヘムス、Home Energy Management System):需要家宅で使うエネルギー(電気の発電量や使用量等)を「見える化」したり、HEMS対応の家電や住宅設備を「制御」するシステムのこと。

*3 太陽光発電、蓄電池、エコキュートを利用した住宅におけるHEMS(ホーム・エネルギー・マネジメント・システム)の実証(2024年3月27日付プレスリリース)
https://www.kepco.co.jp/corporate/pr/2024/pdf/20240327_2j.pdf

*4 東京ガスのソリューション「IGNITURE蓄電池」の制御プラットフォームとして「Shizen Connect」を採用(2024年4月23日付プレスリリース)
https://www.shizenenergy.net/2024/04/23/shizen_connect_igniture_saas/

*5 AC(アグリゲーションコーディネーター):リソースアグリゲーターが制御した電力量を束ね、一般送配電事業者や小売電気事業者と直接電力取引を行う事業者。

*6 RA(リソースアグリゲーター):需要家とVPPサービス契約を直接締結してリソース制御を行う事業者。

 

【エネルギー管理システム「Shizen Connect」について:https://www.se-digital.net/
「Shizen Connect」は再エネ発電設備や蓄電池・EV・エコキュートなどのエネルギーリソースを集合的に制御するアグリゲート・エネルギー管理システムです。蓄電池やEV充電器などの個別制御から、複数の建物を自営線などで繋いだマイクログリッド制御、大規模のエネルギーリソースによるVPP制御などが実現できます。分断されがちだった個別の制御とVPP制御などをワンストップで提供でき、エネルギーリソースをマルチパーパスで利用することで経済性を向上させられます。またベンダーフリーなのでメーカーに依存することなくエネルギーリソースは自由に選定できます。


【株式会社Shizen Connect 会社概要】
会社名  :株式会社Shizen Connect
本社所在地:東京都中央区日本橋本町2丁目4番7号
設立   :2023年10月2日
株主構成 :自然電力株式会社100%
代表者  :代表取締役CEO 松村宗和
事業内容 :VPPプラットフォーム事業、エネルギー管理サービス事業、IoT機器販売事業など