自然電力グループ

　VPP（*1）プラットフォーム開発会社の株式会社Shizen Connect（以下、Shizen Connect）は、自社で開発・運用するアグリゲート・エネルギー管理システム「Shizen Connect」（以下、「Shizen Connect」）が、EV充電設備の国際標準通信プロトコルである「OCPP1.6（*2）」へ対応し、OCPPに対応する株式会社 EVモーターズ・ジャパン（以下、EVM-J）が開発・販売を行う急速充電器、並びに株式会社ジゴワッツ（以下、ジゴワッツ）が開発・販売を行うの普通充電器との連携が実現したことを発表します。

　日本政府は、2035年までに乗用車の全ての新車販売を電動車（*3）とするとともに、2030年までにEV充電設備を15万基（30万口）設置する目標を掲げています。経済産業省の「充電インフラ整備促進に関する検討会」では充電インフラの効率的な拡大のため、EV充電設備への遠隔制御及び通信機能の搭載を推奨しており、充電インフラ整備指針においてOCPPへの準拠を補助要件に含めることを検討しています（*4）。

　「Shizen Connect」はこれまで家庭用蓄電池を対象としたVPPプラットフォームとして大手小売電気事業者に採用されています（*5, *6）。さらにEV（電気自動車）を制御対象として拡大を図るため、V2H機器での制御（*7）やEV普通充電器の制御（*8、*9）などを実証してきました。

　今回、「Shizen Connect」がOCPP1.6に対応することで、幅広いOCPP対応のEV充電設備が制御対象となり、既にEVM-Jが開発・販売を行う急速充電器及びジゴワッツが開発・販売を行うの普通充電器への連携を実現しています。今後、連携機器の拡大を進め、低圧VPP及び需要側のエネルギーマネジメント（*10）での展開を図ります。なお、2024年6月時点での「Shizen Connect」の対応機器及びメーカーは図1に示すとおりです。

■図1「Shizen Connect」の対応機器及びメーカー一覧（2024年6月時点）

　Shizen Connectでは引き続き、各分野のリーディングカンパニーと共に、脱炭素化社会の実現に向けた貢献を続けてまいります。

■各社からのコメント

株式会社 EVモーターズ・ジャパン　廣松誉史 様
　当社は、最先端の電気自動車（EV）、及びEV普及拡大に不可欠な充電設備を開発し、脱炭素社会の実現に貢献する企業です。当社の急速充電器は出力が40kW～120kW、充電口としてはシングルガンまたはダブルガンと幅広いラインナップとなっております。Shizen Connectのエネルギーマネジメントシステムとの連携を通じて、EVユーザーの利用スタイルに合った快適なEV充電サービスを展開できることを期待しております。

株式会社 ジゴワッツ　柴田知輝 様
　当社は、「Simple」 「Flexible」 「Connected」であるEV用普通充電器の普及に向け、2014年の創業以来開発に取り組んでいる企業です。日本最小のEV普通充電器「Ella」や高出力（最大8kW）でありながらコンパクトなEV普通充電器「産業用モデル」等を開発・販売しております。また、ハードウェアだけでなく、課金認証アプリである「PIYO CHARGE」や弊社独自のエネルギーマネジメントシステムも提供しております。この度、Shizen Connectのエネルギーマネジメントシステムと接続可能となったことにより、EVユーザーに更なる体験価値を提供してまいります。

*1 Virtual Power Plant（仮想発電所）：分散型電源（発電設備、蓄電池、EVなど）や需要設備を遠隔で統合・制御することで、あたかもひとつの発電所のように機能させること。
*2 OCPP（Open Charge Point Protocol）：充電設備とエネルギー管理システム間の通信を標準化する国際標準通信規格。
*3 電動車：EV（電気自動車）、FCV（燃料電池自動車）及びHV（ハイブリッド車）を含む概念。
*4 経済産業省「充電インフラ整備促進に関する検討会」 資料より。
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/charging_infrastructure/pdf/007_03_00.pdf
*5 東京ガスのソリューション「IGNITURE蓄電池」の制御プラットフォームとして「Shizen Connect」を採用（2024年4月23日付プレスリリース）
https://www.shizenenergy.net/2024/04/23/shizen_connect_igniture_saas/
*6 東京電力エナジーパートナーが低圧VPP運用にShizen Connectを採用（2024年6月21日付プレスリリース）
https://www.shizenenergy.net/2024/06/21/sc_tepco_adopt_dr_support/
*7 Shizen Connect、EVからの充放電を利用した国内最大級のVPP実証を完了（2024年2月16日付プレスリリース）
https://www.shizenenergy.net/2024/02/16/sc_ev_vpp_demo_complete24/
*8 日東工業とShizen Connect、VPP構築を見据えたOCPP仕様のEV普通充電器を活用したDR実証を実施（2024年2月6日付プレスリリース）
https://www.shizenenergy.net/2024/02/06/nitto_sc_ocpp_evcharger/
*9 YanekaraとShizen Connect、EV充電制御によるVPP実証を東邦ガスと共同で実施（2024年6月17日付プレスリリース）
https://www.shizenenergy.net/2024/06/17/yanekara_sc_vpp_joint_demo/
*10 エネルギーマネジメント：工場やビル、住宅等で、エネルギーの効率的な利用のために、エネルギーの使用状況の可視化や、エネルギー機器の制御・管理を行うこと。

【株式会社 EVモーターズ・ジャパン 会社概要】
会社名　　：株式会社ＥＶ モーターズ・ジャパン
本社所在地：福岡県北九州市若松区白山1丁目18-7
設立　　　：2019年4月1日
代表者　　：代表取締役社長 佐藤 裕之
事業内容　：・電動バス、トラック、バン等の開発・販売
　　　　　　・自動運転対応バス（レベル4）の開発
　　　　　　・充電・蓄電設備の開発・販売
　　　　　　・リユースバッテリー・ソーラーパネルの販売 等
URL　　　：https://evm-j.com/

【株式会社 ジゴワッツ 会社概要】
会社名　　：株式会社ジゴワッツ
本社所在地：東京都中央区日本橋馬喰町2丁目3番3号
設立　　　：2014年5月20日
代表者　　：代表取締役 柴田知輝
事業内容　：EV/PHV用充電器の開発・製造・販売、充電サービスの展開
URL　　　：https://jigowatts.jp/

【株式会社Shizen Connect 会社概要】
会社名　　：株式会社Shizen Connect
本社所在地：東京都中央区日本橋本町2丁目4番7号
設立　　　：2023年10月2日
株主構成　：自然電力株式会社100%
代表者　　：代表取締役 松村宗和
事業内容　：VPPプラットフォーム事業、エネルギー管理サービス事業、IoT機器販売事業など
URL　　　：https://se-digital.net

【エネルギー管理システム「Shizen Connect」について：https://www.se-digital.net/】
「Shizen Connect」は再エネ発電設備や蓄電池・EV・エコキュートなどのエネルギーリソースを集合的に制御するアグリゲート・エネルギー管理システムです。蓄電池やEV充電器などの個別制御から、複数の建物を自営線などで繋いだマイクログリッド制御、大規模のエネルギーリソースによるVPP制御などが実現できます。分断されがちだった個別の制御とVPP制御などをワンストップで提供でき、エネルギーリソースをマルチパーパスで利用することで経済性を向上させられます。またベンダーフリーなのでメーカーに依存することなくエネルギーリソースは自由に選定できます。