西鉄とShizen Connect、資本業務提携契約を締結

- 九州における再エネ普及と電力供給の安定化に向け連携を強化 -

2024.07.09[プレスリリース]

 西日本鉄道株式会社(本社:福岡市博多区、代表:林田浩一、以下「西鉄」)と株式会社Shizen Connect(本社:東京都中央区、代表:松村宗和、以下「Shizen Connect」)は、両社の保有するアセットや技術の活用によるエネルギー領域での事業連携の拡大やVPPの社会実装を目指し、資本業務提携契約(以下「本提携」)を締結いたしました。

背景
 政府が掲げる「2050年カーボンニュートラル」に向けて、再生可能エネルギー(以下「再エネ」)電源の更なる普及が求められています。一方で、太陽光や風力など天候で発電量が大きく変動する再エネ電源の導入を進めるためには、需給バランスを保つための仕組みが必要であり、その手段としてVPP(Virtual Power Plant:仮想発電所)への注目が高まっています。

 VPPとは、蓄電池やEV等のエネルギー機器を、あたかも一つの発電所のように遠隔・統合制御する仕組みであり、送配電網において電力が余っているときに蓄電し、電力が不足するときに放電することで、電力の需給バランスを効率的に調整します。

本提携の目的
 西鉄は、長期ビジョン「にしてつグループまち夢ビジョン2035」において新領域への挑戦を掲げており、その一つとして、エネルギー領域での事業創出に取り組んでいます。具体的には、自然電力株式会社との合弁会社「西鉄自然電力合同会社」を通じて、太陽光発電所や系統用蓄電所の開発・運営を推進しています。

 また、Shizen Connectは、VPPプラットフォームを開発・運用するテクノロジー会社であり、自社で開発・運用するエネルギー管理システム「Shizen Connect」により、多様なメーカーの蓄電池やEV等のエネルギー機器を制御するほか、AIを用いた電力市場価格や需要量の予測、最適な充放電計画策定などの機能を提供し、VPPの社会実装を進めています。

 両社は、西鉄自然電力合同会社が開発する太陽光発電設備に併設された蓄電池制御、系統用蓄電所の制御・運用において既に連携していますが、本提携により、これらの事業における一層の連携拡大を目指すほか、モビリティ領域での事業創出や西鉄グループが保有するエネルギー機器のVPP活用といった新たな取り組みを共に推進し、再エネの普及や電力供給の安定化に貢献してまいります。

本提携の内容
<資本提携>
Shizen Connectが発行する新株予約権付社債を西鉄が取得

<業務提携>
○西鉄グループのアセットやShizen Connectのエネルギー管理システム等を活用し、以下の項目を検討・実施
1. 系統用蓄電池事業における連携拡大
2. 再エネ併設型蓄電池の制御
3. 商用EVの充放電制御
4. 西鉄グループのアセットを活用したVPP構築

西鉄自然電力合同会社が運営する蓄電所 「バッテリーハブ宇美」
(Shizen Connectが充放電計画作成、市場取引、機器制御等の一連の運用を実施)

【西日本鉄道株式会社 会社概要】
会社名 : 西日本鉄道株式会社
本社所在地 : 福岡県福岡市博多区博多駅前三丁目5番7号
設立 : 1908年12月17日
代表者 : 代表取締役社長執行役員 林田 浩一
事業内容 : 鉄道および自動車による運送事業、利用運送事業、航空運送代理店業、通関業、
不動産の売買および賃貸業、ホテル事業、その他
URL : https://www.nishitetsu.jp/

【株式会社Shizen Connect 会社概要】
会社名 : 株式会社Shizen Connect
本社所在地 : 東京都中央区日本橋本町二丁目4番7号
設立 : 2023年10月2日
株主構成 : 自然電力株式会社100%
代表者 : 代表取締役 松村 宗和
事業内容 : VPPプラットフォーム事業、エネルギー管理サービス事業、IoT機器販売事業など
URL : https://www.se-digital.net/

【エネルギー管理システム「Shizen Connect」概要】
 「Shizen Connect」は再エネ発電設備や蓄電池・EV・エコキュートなどのエネルギーリソースを集合的に制御するアグリゲート・エネルギー管理システムです。蓄電池やEV充電器などの個別制御から、複数の建物を自営線などで繋いだマイクログリッド制御、大規模のエネルギーリソースによるVPP制御などが実現できます。分断されがちだった個別の制御とVPP制御などをワンストップで提供でき、エネルギーリソースをマルチパーパスで利用することで経済性を向上させられます。またベンダーフリーなのでメーカーに依存することなくエネルギーリソースは自由に選定できます。