JERAグループとShizen Connect、2024年12月より「24/7カーボンフリー電力」供給の実証試験を開始

2024.07.10[プレスリリース]

 株式会社JERA (以下、JERA)およびJERAの子会社である株式会社JERA Cross(以下、JERA Cross)と株式会社Shizen Connect(以下、Shizen Connect)は、2024年12月より、24/7カーボンフリー電力(以下、24/7 CFE)供給(*1)に向けた実証試験(以下、本実証)を開始することとしましたので、お知らせします。なお、JERAは、本実証を含むShizen Connectとの協業を促進し、連携を強化するため、JERA Ventures (*2)を通じてShizen Connectへの投資を実行しております(*3)。

 世界各国で脱炭素に向けた取り組みが進む中、自社の事業により排出されたCO2を再エネ電力証書等を活用してオフセットする現在の方法から一歩進んだ考え方として、1時間単位の電力使用量と供給量を一致させ、リアルタイムで再生可能エネルギーを利用する「24/7 CFE」への関心が高まっています。

 JERA Crossは、エネルギー分野のCO2ゼロエミッションに先駆的な取り組みを進めており、日本国内での24/7 CFEの普及を目指し、24/7 CFEのトラッキング・証明に関する東京大学との共同研究(*4)などを実施しています。
 Shizen Connectは、VPP(*5)プラットフォームの開発会社であり、自社で開発・運用するエネルギー管理システム「Shizen Connect」を活用して、系統用蓄電池をはじめとする各種エネルギーリソースの制御実績を積み重ねてきました。2023年には系統用蓄電池運用代行サービスの提供を開始し(*6、*7)、2024年には系統用蓄電池制御システムのSaaS(Software as a Service)提供を開始(*8)しました。

 本実証では、JERAおよびJERA Crossが再エネ電源や蓄電池を含む複数の電源を束ねるアグリゲーター(*9)として、自社の知見を活かして需要予測や発電予測を行い、これに基づき蓄電池の充放電計画を作成します。Shizen Connectは、「Shizen Connect」とJERA Crossが使用する需給管理システムのAPI(*10)連携を通じてJERA Crossから充放電計画を受けとり、「Shizen Connect」を用いて蓄電池を遠隔制御するとともに、実績値をリアルタイムで監視しながら充放電計画を修正し、需要と供給のバランスを調整します。2024年末までにシステム間連携を完了させ、2025年1月以降、実証要件や業務フローを定義し、具体案件において24/7 CFE供給の実証を実施する予定です。

 本実証は24/7 CFEの実現に向けた日本国内における先駆的な取り組みであり、本実証結果を踏まえて運用方法を確立のうえ、早期の商用化を目指します。

 JERAとJERA CrossおよびShizen Connectは今後も引き続き、脱炭素化社会の実現に向けた貢献を続けてまいります。

表1:2024年12月実証試験概要

目的

オンサイトおよび再エネ併設蓄電池の24/7 CFE提供サービスの初期運用の確立のため、充放電計画の連携に必要なデータ項目の整理と蓄電池の疎通確認を実施

実証時期

2024年12月

実証項目

1. 再生可能エネルギー供給量と電力需要量のバランシング技術検討

2. 電力需給管理システムと蓄電池制御システムの連携

※2025年1月以降の実施内容に関しては、上記2024年12月の実施後に詳細を決定する

*1 「24/7(twenty – four seven)カーボンフリー電力」は、毎日24時間・毎週7日間、すなわち年間365日にわたってCO2を排出しない電力の名称。なお、経済産業省の「電力の小売営業に関する指針」に従い、需要電力量の100%について、CO2ゼロエミッション電源を電源構成とし、および非化石証書の使用による環境価値をともに供給することを意味する
*2 JERA Ventures:JERAのイノベーション加速や新たな事業機会の創出を目的に設立したCVC活動を行う社内組織。注力技術領域として、①Energy Transformation(脱炭素技術)、②Customer Centric(お客さまに新しい価値を提供するデジタル技術)、③Corporate(ウェルビーイングやFemtechなど)の3つを設定している
*3 Shizen Connect、仮想発電所の実証フェーズ脱却のため大手電力3社を含む計8社と資本業務提携契約を締結(2024年7月9日付プレスリリース)https://www.shizenenergy.net/2024/07/09/sc_capital_business_alliance/
*4 デジタルとエネルギーを組み合わせたカーボンフリー電力の社会実装に関する基本合意書の締結について(2024年3月5日付プレスリリース)
https://www.jera.co.jp/news/information/20240305_1834
*5 Virtual Power Plant(仮想発電所):分散型電源(発電設備、蓄電池、EVなど)や需要設備を遠隔で統合・制御することで、あたかもひとつの発電所のように機能させること
*6 西鉄と自然電力、系統用蓄電池事業に参入(2023年7月19日付プレスリリース)
https://www.shizenenergy.net/2023/07/19/grid_scale_battery_nishitetsu/
*7 Shizen Connect、東急不動産がTENOHA東松山で実施する系統用蓄電池事業に採用(2023年8月3日付プレスリリース)https://www.shizenenergy.net/2023/08/03/shizenconnect_tokyu_grid_battery/
*8 Shizen Connectが系統用蓄電池制御システムのSaaS提供開始(2024年3月1日付プレスリリース)
https://www.shizenenergy.net/2024/03/01/sc_saas_service_grid_battery/
*9 アグリゲーター:複数の発電設備や蓄電設備等のエネルギーリソースを束ねて一元管理する事業者のこと
*10 API:アプリケーション・プログラミング・インターフェース(Application Programming Interface)。ソフトウェアやプログラム、Webサービスの間をつなぐインターフェース

【エネルギー管理システム「Shizen Connect」について】
「Shizen Connect」はエネルギー管理システムです。蓄電池、EV充電器などの個別制御から、複数の建物を自営線などで繋いだマイクログリッドの制御、大規模のエネルギーリソースによるVPP制御などが実現できます。分断されがちだった個別の制御とVPP制御などをワンストップで提供でき、エネルギーリソースをマルチパーパスで利用することで経済性を向上させられます。またベンダーフリーなのでメーカー依存なくエネルギーリソースは自由に選定できます。
https://www.se-digital.net/

【株式会社JERA 会社概要]
会社名  :株式会社JERA
本社所在地:東京都中央区日本橋2丁目5番1号 日本橋髙島屋三井ビルディング25階
設立   :2015年4月30日
株主構成 :東京電力フュエル&パワー株式会社 50% 、中部電力株式会社 50%
代表者  :代表取締役会長Global CEO 可児 行夫、代表取締役社長CEO兼COO 奥田 久栄
事業内容 :火力発電事業、再生可能エネルギー事業、ガス・LNG事業、上記各事業に関するエンジニアリング、コンサルティングなど

【株式会社JERA Cross 会社概要]
会社名  :株式会社JERA Cross
本社所在地:東京都中央区日本橋2丁目5番1号 日本橋髙島屋三井ビルディング25階
設立   :2023年4月28日
株主構成 :株式会社JERA 100%
代表者  :代表取締役会長CEO 田中 聡、代表取締役社長CEO 三木 貴生
事業内容 :GX事業支援サービス、電力の脱炭素化ソリューションの提供

【株式会社Shizen Connect 会社概要】
会社名  :株式会社Shizen Connect
本社所在地:東京都中央区日本橋本町2丁目4番7号
設立   :2023年10月2日
株主構成 :自然電力株式会社100%
代表者  :代表取締役CEO 松村宗和
事業内容 :VPPプラットフォーム事業、エネルギー管理サービス事業、IoT機器販売事業など