北陸電力が低圧VPP運用にShizen Connectを採用

- 「機器制御型DR支援サービス」初のエッジ端末経由での制御 -

2024.11.28[プレスリリース]

 VPP(*1)プラットフォーム開発会社の株式会社Shizen Connect(以下、Shizen Connect)は、小売電気事業者の低圧VPP運用を支援する「機器制御型DR支援サービス」(以下、本サービス)が、北陸電力株式会社(以下、北陸電力)の「「Easyソーラー」創蓄プラン」に採用されたことを発表します。今回の採用は、Shizen Connect製電力IoT用エッジ端末「Shizen Box」(以下、「Shizen Box」)を用いて蓄電池の制御を実施する、本サービス初の事例となります。

 2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、再エネ電源や蓄電池等の分散型リソースを最大限活用し、安定した電力システムを構築していくことが重要な課題とされています。その中で、家庭用蓄電池等のエネルギーリソースを集合制御することによる低圧VPPも、2026年度からの需給調整市場への参加が認められるなど、電力システムの安定化に必要な調整力としての期待が高まっています。

 本サービスは、Shizen Connectが自社で開発・運用するエネルギー管理システム「Shizen Connect」(以下、「Shizen Connect」)を活用し、家庭用蓄電池を遠隔制御することで、需給ひっ迫対策や小売電気事業者の電力調達コストと容量拠出金の削減、さらに今後は各種電力市場での取引に活用していくものです。本サービスは2023年5月に商用サービスを開始し、これまでは「Shizen Connect」と家庭用蓄電池メーカーの遠隔制御サーバーとクラウド連携させる方法で、複数の大手小売電気事業者向けにサービスを提供してきました(*2、*3)。

 今回の北陸電力による本サービスの採用では新たに、「Shizen Connect」が「Shizen Box」を通じてECHONET Lite規格に対応している蓄電池と直接通信し、蓄電池を制御することが可能となりました(図1)。これにより、メーカークラウドがない蓄電池やその他のエネルギーリソースも制御対象となり、本サービスの提供範囲がより一層拡大することが期待できます。

 北陸電力は、2023年9月に既築戸建住宅向けに太陽光発電設備と蓄電池をセットでサービス提供する「Easyソーラー」創蓄プランを開始しました。2024年11月以降、このプランの中で蓄電池と合わせて「Shizen Box」を導入し、これを活用して蓄電池を活用した「デマンドレスポンスサービス」を実施します。なお北陸電力とShizen Connectは、2024年7月9日付で資本業務提携契約(*4)の締結を発表しており、今後も制御対象リソースの拡大など、低圧VPP分野における協業を推進していく予定です。

 本サービスの制御対象について、5社の家庭用蓄電池メーカーとのクラウド連携、及び1社の「Shizen Box」経由での制御を合わせて、商用制御実績のある家庭用蓄電池メーカーの国内市場シェアは合計で約60%(*5)に達しています。今後は電気自動車(EV)やヒートポンプ式給湯器(エコキュート)(*6)等のメーカーとの連携も拡大していきます。

 また、制御機能についても、需給調整市場や容量市場向けの制御、及び再エネ出力制御(*7)を回避するための需要創出DR(上げDR)制御(*8)などを順次、商用提供していきます。

 Shizen Connectは今後も多様なパートナーと協力し、脱炭素化社会の実現に向けた貢献を続けてまいります。

■北陸電力「Easyソーラー」創蓄プラン 無料お見積り・ご相談申込フォーム
 https://www.h-living.co.jp/easy_solar/index.php

図1:本サービスのスキーム

図2:電力調達コスト削減のメカニズム

*1 Virtual Power Plant(仮想発電所):分散する電源(発電設備、蓄電池、EVなど)や需要設備をあたかも一つの発電所のように集合制御するデジタル技術の総称。
*2 東京ガスのソリューション「IGNITURE蓄電池」の制御プラットフォームとして「Shizen Connect」を採用(2024年4月23日付プレスリリース)
https://www.shizenenergy.net/2024/04/23/shizen_connect_igniture_saas/
*3 東京電力エナジーパートナーが低圧VPP運用にShizen Connectを採用(2024年6月21日付プレスリリース)
https://www.shizenenergy.net/2024/06/21/sc_tepco_adopt_dr_support/
*4 Shizen Connect、仮想発電所の社会実装のため大手電力3社を含む計8社と資本業務提携契約を締結(2024年7月9日付プレスリリース)https://www.shizenenergy.net/2024/07/09/sc_capital_business_alliance/
*5 「月刊スマートハウス」No.108(2024年2月号)の蓄電池メーカーシェアに基づき当社試算
*6 Shizen Connectとダイキン、大手電力3社と再エネ余剰電力の有効活用に向けた共同実証を実施(2024年7月31日付プレスリリース)
https://www.shizenenergy.net/2024/07/31/daikin_sc_eq_demo/
*7 再エネ出力制御:エリアにおける電力供給量が需要を上回る際に再エネ電源の発電を停止すること。
*8 DR(ディマンド・リスポンス)制御:電力の需要と供給のバランスをとる目的で、需要家側の電力使用量を制御することによって電力パターンを変化させること。なかでも、需要家側機器の稼働や蓄電池の充電によりある時間帯の電力需要量を意図的に増やすことを「需要創出DR(上げDR)」と呼ぶ。

【エネルギー管理システム「Shizen Connect」について:https://www.se-digital.net/
「Shizen Connect」は蓄電池・EV・エコキュートなどのエネルギー機器をIoT/AI技術で制御し、その制御価値の電力市場取引などを行うエネルギー管理システムです。ピークカットによる電気代削減やマイクログリッドの構築、そして各種電力市場向け制御によるVPP(仮想発電所)の構築などを実現します。家庭用蓄電池のVPPプラットフォームとして東京ガスや東京電力エナジーパートナーなどに採用され、系統用蓄電池の制御では大阪ガスや東急不動産などに採用されています。

【株式会社Shizen Connect 会社概要】
会社名  :株式会社Shizen Connect
本社所在地:東京都中央区日本橋本町2丁目4番7号
設立   :2023年10月2日
株主構成 :自然電力株式会社100%
※株式会社JERA、四国電力株式会社、新日本空調株式会社、東急不動産株式会社、東京ガス株式会社、西日本鉄道株式会社、北陸電力株式会社、北海道電力株式会社と新株予約権付転換社債による資本業務提携契約を締結
代表者  :代表取締役CEO 松村宗和
事業内容 :VPPプラットフォーム事業、エネルギー管理サービス事業、IoT機器販売事業など
URL   :https://se-digital.net