Shizen Connect、ストリーミングデバイスによる低圧VPP実証を実施
- ストリーミングデバイス用アプリを開発し更なる制御リソースの拡大へ -
VPP(*1)プラットフォーム開発会社の株式会社Shizen Connect(以下、Shizen Connect)は、低圧VPPの拡大に向けて、ストリーミングデバイス(*2)経由での低圧VPPの技術性に関する実証(以下、本実証)を2024年10月に実施し、エネルギー管理システム「Shizen Connect」(以下、「Shizen Connect」)からストリーミングデバイス経由での遠隔制御によるV2H機器の充放電が指令値通りに行えたことを発表いたします。
2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、再エネ電源や蓄電池等の分散型リソースを最大限活用し、安定した電力システムを構築していくことが重要な課題とされています。その手段の一つとして、家庭用蓄電池等のエネルギー機器の集合制御による低圧VPPへの注目が集まっています。
低圧VPPの分野において、Shizen Connectはこれまでに、家庭用蓄電池を対象としたVPPプラットフォームとして大手小売電気事業者に採用されています(*3、*4)。さらにはEV普通充電器(*5)やV2H機器(*6)、エコキュート(*7)など、遠隔制御可能なエネルギー機器の拡大に向けた数々の実証を実施してきました。
昨今、ストリーミングデバイスの普及が進み、2023年時点でストリーミングデバイスの所有率は33.7%に達しています(*8)。ストリーミングデバイスは、専用のアプリをインストールすることで、各種の家庭用エネルギー機器を制御することも可能であり、Shizen Connectがストリーミングデバイスに対応することで、遠隔制御対象となるエネルギー機器のさらなる拡大が期待されます。
本実証では、ストリーミングデバイスとして「Amazon Fire TV Stick(*9)」を使用し、Shizen Connectが開発・運用するアグリゲート・エネルギー管理システム「Shizen Connect」と連携するストリーミングデバイス用アプリを開発し、「Shizen Connect」からストリーミングデバイス経由でV2H機器の遠隔制御を実施しました。
結果として、ストリーミングデバイス経由でのV2H機器への遠隔制御が技術的に問題なく、かつ指令値通りに充放電可能であることを確認しました。また、ユーザビリティ向上の目的で開発した見える化画面への稼働状況データ表示について確認を実施しました(図2)。本実証結果をふまえ、今後の商用サービスにおけるストリーミングデバイスの活用可能性を検討してまいります。
本実証について、Shizen Connect プロダクトマネジメント部部長 西依清香は「低価格で普及しているストリーミングデバイスやスマートスピーカーを活用することで、家庭用エネルギー機器を用いた低圧VPPが消費者にとってより身近で参加しやすいものになることを期待している。」とコメントしています。
Shizen Connectでは今後も引き続き、分散型リソースの活用促進を通じて、脱炭素化社会の実現に向け貢献を続けてまいります。
図1:実証スキーム
図2:実証用アプリケーションの見える化画面
*1 Virtual Power Plant(仮想発電所):分散型電源(発電設備、蓄電池、EVなど)や需要設備を遠隔で統合・制御することで、あたかもひとつの発電所のように機能させること
*2 ストリーミングデバイス:専用の通信端末をHDMIで接続されたテレビにて、動画配信サービスのコンテンツやスマートフォンやタブレット型端末などのモバイル端末を視聴するための周辺機器。
*3 東京ガスのソリューション「IGNITURE蓄電池」の制御プラットフォームとして「Shizen Connect」を採用(2024年4月23日付プレスリリース)https://www.shizenenergy.net/2024/04/23/shizen_connect_igniture_saas/
*4 東京電力エナジーパートナーが低圧VPP運用にShizen Connectを採用(2024年6月21日付プレスリリース)
https://www.shizenenergy.net/2024/06/21/sc_tepco_adopt_dr_support/
*5 YanekaraとShizen Connect、EV充電制御によるVPP実証を東邦ガスと共同で実施(2024年6月17日付プレスリリース)
https://www.shizenenergy.net/2024/06/17/yanekara_sc_vpp_joint_demo/
*6 Shizen Connect、EVからの充放電を利用した国内最大級のVPP実証を完了(2024年2月16日付プレスリリース)
https://www.shizenenergy.net/2024/02/16/sc_ev_vpp_demo_complete24/
*7 Shizen Connectとダイキン、大手電力3社と再エネ余剰電力の有効活用に向けた共同実証を実施(2024年7月31日付プレスリリース)
https://www.shizenenergy.net/2024/07/31/daikin_sc_eq_demo/
*8 博報堂 DY メディアパートナーズ メディア環境研究所「メディア定点調査 2023」
https://mekanken.com/data/4159/
*9 * Amazon、Fire TV Stickは、Amazon.com, Inc. またはその関連会社の商標です。
【エネルギー管理システム「Shizen Connect」について:https://www.se-digital.net/】
「Shizen Connect」は蓄電池・EV・エコキュートなどのエネルギー機器をIoT/AI技術で制御し、その制御価値の電力市場取引などを行うエネルギー管理システムです。ピークカットによる電気代削減やマイクログリッドの構築、そして各種電力市場向け制御によるVPP(仮想発電所)の構築などを実現します。家庭用蓄電池のVPPプラットフォームとして東京ガスや東京電力エナジーパートナー、東北電力、北陸電力などに採用され、系統用蓄電池の制御では大阪ガスや東急不動産、西鉄グループなどに採用されています。
【株式会社Shizen Connect 会社概要】
会社名 :株式会社Shizen Connect
本社所在地:東京都中央区日本橋本町2丁目4番7号
設立 :2023年10月2日
株主構成 :自然電力株式会社100%
※大阪ガス株式会社、株式会社JERA、四国電力株式会社、新日本空調株式会社、東急不動産株式会社、東京ガス株式会社、西日本鉄道株式会社、北陸電力株式会社、北海道電力株式会社及び事業会社1社(社名非公表)と新株予約権付転換社債による資本業務提携契約を締結
代表者 :代表取締役CEO 松村宗和
事業内容 :VPPプラットフォーム事業、エネルギー管理サービス事業、IoT機器販売事業など
URL :https://se-digital.net