Shizen Connect、プレシリーズA 3rdクローズでソラコム及びダイキンの2社と資本業務提携

2025.02.03[プレスリリース]

 VPP(*1)プラットフォーム開発会社の株式会社Shizen Connect(以下、Shizen Connect)は、VPPの社会実装を目的とした資本業務提携(*2、*3)を拡大し、株式会社ソラコム(以下、ソラコム)及びダイキン工業株式会社(以下、ダイキン)と資本業務提携契約(以下「本提携」)を締結したことを発表します。本提携の結果、Shizen Connectの資本業務提携先は合計12社、資金調達額は提携先からの調達及びグループ会社である自然電力株式会社からの借入の合計で、累計15.6億円となりました。

 政府が掲げる2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、再生可能エネルギー発電設備(以下、再エネ発電設備)の導入拡大が進められています。しかし、これらの再エネ発電設備は天候により大きく出力が変動し、再エネ発電設備の発電量が増加する時間帯に発電を停止する「再エネ出力制御」(*4)などが実施されています。

 再エネを有効活用するためには電力の需要と供給をバランスさせる仕組みとバランスさせるエネルギーリソースの拡大が必要であり、その手段としてVPPへの注目が高まっています。VPPの国内市場規模は急速に成長しており、2030年には730億円に達すると予測されています(*5)。

 Shizen Connectは、VPPプラットフォーム「Shizen Connect」を開発・運用するテクノロジー会社として、家庭用蓄電池やEV、ヒートポンプ給湯器等を遠隔制御するサービスを提供し、複数の小売電気事業者に採用されています。また法人用蓄電池、系統用蓄電池制御の分野でも商用サービスを展開しています。

 「Shizen Connect」を通じた遠隔制御の際には、対象機器をインターネットに接続させる必要があり、機器メーカーのクラウド経由、または自社開発のエッジ端末「Shizen Box」シリーズを使用して接続を行っています。

 本提携において、提携先企業による「Shizen Connect」を共通プラットフォームとして活用した顧客サービスや電力関連事業の展開、及び提携先企業とShizen Connectによる共同技術開発等を通じて、「Shizen Connect」のプラットフォームを進化、拡大させ、双方が長期的な視野に立ってVPPの社会実装を実現することを目的としています。

 ソラコムは、IoTプラットフォーム「SORACOM」を提供し、IoT向けのデータ通信及びIoTを活用した製品やサービスの開発・運用の支援を行っています。Shizen Connectは、「Shizen Box」シリーズのクラウド接続において「SORACOM」を採用しており、本提携を通じてセキュアで低コストなIoT基盤の研究開発を更に推進していきます。

またダイキンは、ヒートポンプをコア技術の1つとして、エアコンやヒートポンプ給湯器などの機器を幅広く製造・販売しており、近年では省エネルギーと環境負荷の低減を実現する製品やサービスの提供に注力しています。ダイキンとShizen Connectは、家庭用ヒートポンプ給湯器を用いて再エネ発電量の多い時間帯に需要を創出し、再エネ出力制御を抑制する「需要創出DR」の有効性を検証する共同実証(*6)を、2024年10月に実施しました。本提携を通じて、ヒートポンプ給湯器を用いた低圧VPPサービスを早期に実現するとともに、今後は空調機器の制御等の分野での協業も推進していきます。

 Shizen Connectは引き続き、各分野のリーディングカンパニーと共に、脱炭素化社会の実現に向けた貢献を続けてまいります。

図1 本提携の内容
※ソラコムとは弊社エッジ端末「Shizen Box」シリーズのIoT基盤領域で協業

図2 提携先企業との業務提携内容
■提携先企業のコメント

株式会社ソラコム 代表取締役社長 玉川 憲 様
当社は、世界180以上の国と地域で利用可能なIoT通信を軸に、クラウド連携、遠隔アクセスなど、システム構築や運用を支援するクラウドサービスを提供しています。Shizen Connect様は、先進的なVPP技術を使いやすく提供することで持続可能なエネルギー社会の実現をけん引されており、『IoTの民主化』を掲げるソラコムと共通の志を感じております。本提携を通じ、次世代エネルギー・ユーティリティ業界向けのIoT技術を強化し、持続可能な社会の実現に向けてともに取り組んでまいります。

ダイキン工業株式会社 常務執行役員 足田 紀雄 様
当社は、再生可能エネルギーの増加と高まる需給調整の需要を背景に、エコキュートをはじめとする住宅用機器のデマンドレスポンス対応を進めていきたいと考えております。Shizen Connectとは2024年秋に大手電力会社4社とエコキュートの遠隔制御による再エネ出力抑制の共同実証を行いました。今後も低圧VPPの領域で、VPPプラットフォーマーとしてのShizen Connectとの連携を進めることで、お客様へよりよいサービスを提供するとともに、ダイキン工業がめざすカーボンニュートラル社会の実現に貢献してまいります。

■Shizen Connectのコメント

株式会社Shizen Connect 代表取締役CEO 松村 宗和
2024年7月に発表した8社との資本業務提携に11月に2社が加わり、今回2社が加わり合計で12社となりました。VPPの社会実装への取組が更に大きなものとなったことに感謝しています。これまでの提携先は私達のVPPプラットフォームを活用いただく企業でしたが、今回は2社とも私達のVPPプラットフォームを強化する企業なのが特徴です。ソラコムはIoT基盤をさらに強化するための協業です。また、ダイキンは先方のクラウドサーバーと私達のVPPプラットフォームをシステム連携する協業です。こうした協業を通じて更に協力なVPPプラットフォームとなるよう尽力を続けてまいります。

*1 Virtual Power Plant(仮想発電所):分散型電源(発電設備、蓄電池、EVなど)や需要設備を遠隔で統合・制御することで、あたかもひとつの発電所のように機能させること。
*2 Shizen Connect、仮想発電所の社会実装のため大手電力3社を含む計8社と資本業務提携契約を締結(2024年7月9日発表)https://www.shizenenergy.net/2024/07/09/sc_capital_business_alliance/

*3 Shizen Connect、プレシリーズA 2ndクローズで大阪ガス及び事業会社1社と資本業務提携
https://www.shizenenergy.net/2024/11/29/sc_capital_business_alliance_2nd/

*4 再エネ出力制御:エリアにおける電力供給量が需要を上回る際に再エネ電源の発電を停止すること。
*5 矢野経済研究所「2019 エネルギーリソースアグリゲーションビジネスの現状と将来展望」より引用。
https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/2283

*6 Shizen Connectとダイキン、大手電力3社と再エネ余剰電力の有効活用に向けた共同実証を実施
https://www.shizenenergy.net/2024/07/31/daikin_sc_eq_demo/

【エネルギー管理システム「Shizen Connect」について:https://www.se-digital.net/
「Shizen Connect」は蓄電池・EV・エコキュートなどのエネルギー機器をIoT/AI技術で制御し、その制御価値の電力市場取引などを行うエネルギー管理システムです。ピークカットによる電気代削減やマイクログリッドの構築、そして各種電力市場向け制御によるVPP(仮想発電所)の構築などを実現します。家庭用蓄電池のVPPプラットフォームとして東京ガスや東京電力エナジーパートナー、東北電力、北陸電力などに採用され、系統用蓄電池の制御では大阪ガスや東急不動産、西鉄グループなどに採用されています。

【株式会社Shizen Connect 会社概要】
会社名  :株式会社Shizen Connect
本社所在地:東京都中央区日本橋本町2丁目4番7号
設立   :2023年10月2日
株主構成 :自然電力株式会社100%
※大阪ガス株式会社、株式会社JERA、四国電力株式会社、新日本空調株式会社、株式会社ソラコム、ダイキン工業株式会社、東急不動産株式会社、東京ガス株式会社、西日本鉄道株式会社、北陸電力株式会社、北海道電力株式会社及び事業会社1社(社名非公表)と新株予約権付転換社債による資本業務提携契約を締結
代表者  :代表取締役CEO 松村宗和
事業内容 :VPPプラットフォーム事業、エネルギー管理サービス事業、IoT機器販売事業など
URL   :https://se-digital.net