北海道自然電力と帯広畜産大学、営農型太陽光発電に関するパイロット実験の現地見学会ならびに講演会を開催

2025年2月26日、北海道自然電力株式会社(以下、北海道自然電力)と国立大学法人北海道国立大学機構帯広畜産大学(以下、帯広畜産大学)は、営農型太陽光発電に関するパイロット実験の現地見学会ならびに講演会(講演:株式会社道銀地域総合研究所 会長 土屋俊亮氏)を開催しました。
太陽光発電設備の概要と実験内容
今回見学会を実施した太陽光発電設備は、両面にパネルを備えた垂直型太陽光発電及び傾斜型太陽光発電設備の2種類で、2024年8月に両者が締結した連携協定※1に基づき実施される共同研究(図1)のうち、本格的な大規模実証に先行して行うパイロット実験(図2、テーマ:垂直型太陽光と傾斜型太陽光の発電量等の比較検証)に活用するため、帯広畜産大学構内の実習圃場に設置されたものです。
- 敷地面積 25m×20m
- 設備容量 垂直型太陽光発電設備:5kW×3、傾斜型太陽光発電設備:5kW×1
実験では、垂直型太陽光発電設備と傾斜型太陽光発電設備のそれぞれで、表面・裏面の発電量の分析、季節ごとの発電量比較、設置向きごとの発電量の分析を、1年間を通して行います。この実験で得られるデータを活用して発電量の予測をより精緻なものとし、設置場所の環境や農地・放牧地の使用状況に合わせた最適な設置形態・レイアウトの提案に寄与することを目指します。
図1 共同研究の全体像
図2 パイロット実験の内容と目的
今後の展望
北海道自然電力は2024年3月、北海道に根ざした地域の企業として、道内の地方自治体や地域経済界の他、農畜産業、学術機関等の顧客やパートナーに、地域と共生する再エネ開発プロジェクトの開発、総合的な脱炭素ソリューションを提供することによって、北海道の地域活力を高めることを目的に設立されました。
農畜産業を基幹産業とし、日本の食料基地として重要な役割を担う十勝地域においては、農畜産業の現場から地球規模の課題解決を目指す教育研究を実践している帯広畜産大学と連携協定を締結し、営農型太陽光発電の実証実験等を通して、持続可能な農業ならびに同地域のカーボンニュートラル実現に貢献することを目指しています。今後は、パイロット実験だけでなく、農業への影響評価等についても共同研究を進めてまいります。
株式会社道銀地域総合研究所会長の土屋俊亮氏は講演の中で、気候変動や人口変化、国内GDPの停滞が十勝地域の基幹産業である農業に及ぼす影響について示した上で「国内屈指の日射量、農業に関する試験研究や基盤整備などの強みにより、十勝地方は北海道のみならず日本全体の食の安全保障に大きく貢献している。国が提示した温室効果ガス削減目標に対し、アカデミックと連携し、農業に支障を出さない形で再生可能エネルギーを活用し、持続可能な形でエネルギー自給率を高めることが、十勝地域、北海道全体のみならず、日本全体を元気にしていくことにつながると信じている」と述べました。
帯広畜産大学長の長澤秀行氏は「帯広畜産大学は研究成果を社会実装することを重視しており、企業との連携を大切にしている。今回の設備を活用して、十勝地域にとどまることなく、北海道全域、日本、世界に向けて発信していきたい」と述べました。
北海道自然電力株式会社 代表取締役社長の瀧口直人は「十勝地方の知の拠点である帯広畜産大学や、農業関係者の皆さまの多大なお力添えのおかげで、東西南北の方向で同時に発電量を計測できる、国内で唯一の設備が完成した。農業×エネルギーの実現に向け、ここでの知見を活用してまいりたい」と述べました。
北海道自然電力は、「北海道の素晴らしい自然を守りながら、再生可能エネルギーによる北海道の未来を地域と共に創造」のビジョンのもと、持続可能な脱炭素社会の推進に向け、地域とともに脱炭素から北海道の未来を描いてまいります。
※1:プレスリリース「北海道自然電力と帯広畜産大学、北海道十勝地域のカーボンニュートラルの実現及び持続的発展への貢献に関する協定締結について」 https://www.shizenenergy.net/2024/08/20/hse_obihirouniv_agreement/
ご参考:連携イメージ
北海道自然電力株式会社 会社概要
2024年3月設立。太陽光、風力、バイオマス、地熱等の多様なエネルギー源が豊富に存在し、更なる再生可能エネルギーの導入が期待される北海道において、地域脱炭素の推進と共に、農畜産業など地域経済発展への貢献を目指している。
・本社:北海道札幌市中央区北5条西5丁目1番地5 JR GOGO SAPPORO 6階
・会長:石井吉春
・代表取締役社長:瀧口直人
・URL:https://www.shizenenergy.net/about/hokkaido-shizen-energy/