系統用蓄電所「西鉄自然電力バッテリーハブ宇美」 開所式を開催
- 系統安定化のための蓄電池事業を加速 -
西日本鉄道株式会社(本社:福岡市博多区、代表:林田浩一、以下「西鉄」)と自然電力株式会社(本社:福岡市中央区、代表:磯野謙、川戸健司、長谷川雅也、以下「自然電力」)の合弁会社である「西鉄自然電力合同会社」(本社:福岡市博多区、代表:林田安弘、以下「西鉄自然電力」)は、建設を進めていた系統用蓄電所※1「西鉄自然電力バッテリーハブ宇美(以下、当蓄電所)」が、2024年6月に商業運転を開始することとなり、6月10日に現地で開所式を執り行いました。
再生可能エネルギーの導入拡大・主力電源化が進む中、太陽光発電所の多い九州エリアでは特に、日中の発電量が需要量を上回ることによる出力抑制が課題となっており、需給バランスを保つための調整力の確保が重要です。西鉄自然電力では2023年7月に系統用蓄電池事業への参入を表明※2、設置に向けた準備を進めており、このたび第1号案件として当蓄電所の運転を開始したものです。
当蓄電所における自然電力グループの役割としては、自然電力がプロパティマネジメントを担い、株式会社Shizen Connectが自社開発のエネルギー管理システムを用いた蓄電池制御及び運用を担います。Shizen Connectは、市場価格予測や充放電計画の策定、遠隔制御の実行などを行い、卸電力市場、需給調整市場、容量市場といった各電力市場での取引による収益化やバランシンググループ※3運用、充電用電力の小売供給など、一連の運用を行います。
このほど設置した系統用蓄電池は、出力1.92MW、蓄電容量4.659MWhのリチウムイオン電池で構成されています。創出した調整力を需給調整市場や容量市場を含む各種電力市場で取引することで、電力の安定供給に貢献してまいります。
自然電力グループは「青い地球を未来につなぐ」ため、地域と共生する再エネ電源の開発事業、系統安定化のための蓄電池事業、エネルギー機器を効率的に活用するためのデジタル事業を加速させ、脱炭素化やエネルギーレジリエンス強化など様々なニーズに柔軟に対応し、一日も早い自然エネルギー100%の世界の実現を、パートナーの皆さまと共に目指します。
※1 蓄電池を単独で系統に接続する設備
※2 「西鉄と自然電力、系統用蓄電池事業に参入
https://www.shizenenergy.net/2023/07/19/grid_scale_battery_nishitetsu/
※3 バランシンググループ(BG):インバランス(計画と実績の差異)の精算を実施する、事業者の集団(単位)。小売電気事業者による「需要バランシンググループ」と、発電者による「発電バランシンググループ」がある。
【蓄電所の概要】
蓄電所名 | 西鉄自然電力バッテリーハブ宇美 |
所在地 | 福岡県糟屋郡宇美町若草2-17(西日本鉄道株式会社 早見車庫内) |
設備規模 | 出力:1.92 MW / 蓄電容量:4.659 MWh |
蓄電池 | Bluestorage(リース元:株式会社IBeeT) |
エネルギー管理システム | 「Shizen Connect」(提供元:株式会社Shizen Connect) |
EPC | NECネッツエスアイ株式会社 |
運用事業者 | 西鉄自然電力合同会社 |
営業運転開始日 | 2024年6月 |
【西鉄自然電力バッテリーハブ宇美 写真】
◆西鉄自然電力合同会社について
2022年4月に西鉄と自然電力との合弁会社として設立。「九州の脱炭素化への貢献」をビジョンに、西鉄グループや地域の企業・自治体向けに再エネ電力を供給するコーポレートPPA事業や、蓄電池を活用したエネルギーマネジメント事業に取り組んでいます。
・本社:福岡県福岡市博多区博多駅前三丁目5番7号
・代表社員:西日本鉄道株式会社 職務執行者 林田 安弘
◆西日本鉄道株式会社について
1908年に当社の前身である九州電気軌道株式会社が発足し、今年で116年をむかえます。
西鉄グループは「まちに、夢を描こう」という企業メッセージのもと、地域の生活を支える多様な事業を展開しております。現在では、日本最大級である自動車部門と天神大牟田線・貝塚線の2線を有する鉄道部門に加え、国際物流事業・都市開発事業・住宅事業などの兼業部門も順調な発展を続けており、海外開発事業も積極的な展開を行っております。
・本社:福岡県福岡市博多区博多駅前三丁目5番7号
・代表取締役社長執行役員:林田浩一
・URL:https://www.nishitetsu.co.jp/ja/index.html
◆自然電力株式会社について
2011年6月設立。「青い地球を未来につなぐ」を掲げ、太陽光・風力・小水力・バイオマスによる再生可能エネルギー発電所の開発・資金調達・アセットマネジメントを手掛け、これまでグループとして国内外で1ギガワット以上の再生可能エネルギー発電事業に携わってきました。2016年より海外事業にも注力しており、東南アジア・ブラジルを中心に開発・発電事業を展開。また、2019年からはエネルギーテック事業に参入し、自社開発のエネルギー管理システム(EMS)により、マイクログリッドやVPPの構築、EVのスマート充放電サービス等を提供しています。
・本社:福岡県福岡市中央区荒戸1丁目1番6号 福岡大濠ビル3F/6F
・代表取締役:磯野謙、川戸健司、長谷川雅也
・URL:http://www.shizenenergy.net
◆株式会社Shizen Connectについて
2023年10月に自然電力からの分社化により設立したShizen Connect(シゼンコネクト)は、再エネ発電設備や蓄電池・EV・EQなどのエネルギーリソースを集合的に制御するアグリゲート・エネルギー管理システムを開発・提供しています。住宅の太陽光発電と蓄電池、EV充電器などの制御から、複数の建物を自営線で繋いだマイクログリッドの制御、系統用蓄電池の制御、そして数万台規模のエネルギー機器によるVPP制御などが実現できます。これまで分断されがちな個別の制御とVPP制御などをワンストップで提供できるので、エネルギーリソースをマルチパーパスで利用することで経済性を向上させられ、またベンダーフリーなのでメーカー依存なくエネルギーリソースは自由に選定できます。
・本社:東京都中央区日本橋本町2丁目4番7号
・代表取締役CEO:松村宗和
・URL:https://www.se-digital.net