東北電力が低圧VPP運用にShizen Connectを採用

- 「東北電力機器制御型ecoチャレンジ」に機器制御型DR支援サービスを採用 -

2024.09.26[プレスリリース]

 VPP(*1)プラットフォーム開発会社の株式会社Shizen Connect(以下、Shizen Connect)は、小売電気事業者の低圧VPP運用を支援する「機器制御型DR支援サービス」(以下、本サービス)が、東北電力株式会社(以下、東北電力)の「東北電力機器制御型ecoチャレンジ」(2024年9月26日より参加者募集を開始)に採用されたことを発表します。

 2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、再エネ電源や蓄電池等の分散型リソースを最大限活用し、安定した電力システムを構築していくことが重要な課題とされています。その中で、家庭用蓄電池等のエネルギーリソースを集合制御することによる低圧VPPも、2026年度からの需給調整市場への参加が認められるなど、電力システムの安定化に必要な調整力としての期待が高まっています。

 本サービスは、Shizen Connectが開発・運用するエネルギー管理システム「Shizen Connect」を活用し、蓄電池メーカーの遠隔制御システムと連携して家庭用蓄電池をクラウド経由で遠隔制御することで、需給ひっ迫対策や小売電気事業者の電力調達コストと容量拠出金の削減、さらに今後は各種電力市場での取引に活用していくものです(図1)。2023年5月に商用提供を開始した後、複数の大手小売電気事業者に採用されています(*2、*3)。

 今回の東北電力での本サービスの採用は、2023年12月に発表した大手小売電気事業者8社との共同実証(*4)の成果を受けてのものであり、同実証に参画した企業を中心に、今後も多くの小売電気事業者への商用提供を目指します。

 本サービスの制御対象について、現在は5社の家庭用蓄電池メーカーとクラウド連携しており、制御可能なメーカーの国内市場シェアは合計で約57%(*5)に達しています。今後は電気自動車(EV)やヒートポンプ式給湯器(エコキュート)(*6)等のメーカーとの連携も拡大していきます。

 また、制御機能についても、需給調整市場や容量市場向けの制御、および再エネ出力制御(*7)を回避するための需要創出DR(上げDR)制御(*8)などを順次、商用提供していきます。

 Shizen Connectは今後も多様なパートナーと協力し、脱炭素化社会の実現に向けた貢献を続けてまいります。

■東北電力「東北電力機器制御型ecoチャレンジ」実施要項
URL:https://www.tohoku-epco.co.jp/dprivate/sl-denka/saving/dr/

図1:本サービスのスキーム
図2:電力調達コスト削減のメカニズム

*1 Virtual Power Plant(仮想発電所):分散する電源(発電設備、蓄電池、EVなど)や需要設備をあたかも一つの発電所のように集合制御するデジタル技術の総称。
*2 東京ガスのソリューション「IGNITURE蓄電池」の制御プラットフォームとして「Shizen Connect」を採用(2024年4月23日付プレスリリース)https://www.shizenenergy.net/2024/04/23/shizen_connect_igniture_saas/
*3 東京電力エナジーパートナーが低圧VPP運用にShizen Connectを採用(2024年6月21日付プレスリリース)
https://www.shizenenergy.net/2024/06/21/sc_tepco_adopt_dr_support/
*4 大手小売電気事業者8社がShizen Connectによる低圧VPPの共同実証を実施(2023年12月5日付プレスリリース)
https://www.shizenenergy.net/2023/12/05/dr_support_demo_8_retailers/
*5 「月刊スマートハウス」No.108(2024年2月号)の蓄電池メーカーシェアに基づき当社試算
*6 Shizen Connectとダイキン、大手電力3社と再エネ余剰電力の有効活用に向けた共同実証を実施(2024年7月31日付プレスリリース)
https://www.shizenenergy.net/2024/07/31/daikin_sc_eq_demo/
*7 再エネ出力制御:エリアにおける電力供給量が需要を上回る際に再エネ電源の発電を停止すること。
*8 DR(ディマンド・リスポンス)制御:電力の需要と供給のバランスをとる目的で、需要家側の電力使用量を制御することによって電力パターンを変化させること。なかでも、需要家側機器の稼働や蓄電池の充電によりある時間帯の電力需要量を意図的に増やすことを「需要創出DR(上げDR)」と呼ぶ。

【エネルギー管理システム「Shizen Connect」について:https://www.se-digital.net/
「Shizen Connect」は蓄電池・EV・エコキュートなどのエネルギー機器をIoT/AI技術で制御し、その制御価値の電力市場取引などを行うエネルギー管理システムです。ピークカットによる電気代削減やマイクログリッドの構築、そして各種電力市場向け制御によるVPP(仮想発電所)の構築などを実現します。家庭用蓄電池のVPPプラットフォームとして東京ガスや東京電力エナジーパートナーなどに採用され、系統用蓄電池の制御では大阪ガスや東急不動産などに採用されています。

【株式会社Shizen Connect 会社概要】
会社名  :株式会社Shizen Connect
本社所在地:東京都中央区日本橋本町2丁目4番7号
設立   :2023年10月2日
株主構成 :自然電力株式会社100%
※株式会社JERA、四国電力株式会社、新日本空調株式会社、東急不動産株式会社、東京ガス株式会社、西日本鉄道株式会社、北陸電力株式会社、北海道電力株式会社と新株予約権付転換社債による資本業務提携契約を締結
代表者  :代表取締役CEO 松村宗和
事業内容 :VPPプラットフォーム事業、エネルギー管理サービス事業、IoT機器販売事業など
URL   :https://se-digital.net