酪農学園大学と共同で実施している、垂直式太陽光発電を活用した牧草地の持続可能な利用に関する実証研究が、2024年度「ソーラーウィーク大賞」にて特別賞を受賞しました

2024.11.07[お知らせ]
酪農学園大学と共同で実施している、垂直式太陽光発電を活用した牧草地の持続可能な利用に関する実証研究が、2024年度「ソーラーウィーク大賞」にて特別賞を受賞しました

この度、酪農学園大学と自然電力が大学内実験圃場で実施している、垂直式太陽光発電を活用した牧草地の持続可能な利用に関する実証研究が、2024年度「ソーラーウィーク大賞」(主催:一般社団法人太陽光発電協会 代表理事 山口 悟郎)特別賞を受賞しましたので、お知らせいたします。

ソーラーウィーク大賞について
「ソーラーウィーク大賞」は、地域に貢献し、地域から望まれ、他の模範ともなる太陽光発電の普及拡大に資する取組・事業とそれを支えている方々を表彰するもので、 地域との共生・共創に基づく太陽光発電が全国に広がるよう、太陽光発電の地域貢献の可能性について、多くの方に認知して頂くことを目的としています。

酪農学園大学との共同実証研究について
この実証研究は、持続可能な農業の実現のため、牧草地の有効利用と再生可能エネルギーの普及を同時に促進することを目指し、酪農学園大学と自然電力が共同で行っています。実験では、大学内実験圃場である牧草地に垂直式太陽光発電設備(DC 79.36kWp / AC 40kW)を設置し、牧草の生育に必要な日射量を確保しながら太陽光発電を行います。その上で、「垂直式太陽光パネル設置状況下における農作業効率の変化に関する研究」「垂直式太陽光パネルの設置がチモシー優占草地の生産量に及ぼす影響」「垂直式両面受光型太陽光パネルの北海道江別地区における牧草圃場での発電評価」のそれぞれの研究を行っています。
なお、太陽光発電設備で発電した電気は、オンサイトPPA契約により酪農学園大学内の施設に供給されます。

共同実証研究の背景
日本の農業は、農業生産者の高齢化、輸入飼肥料や種子コストの上昇、電気代の増加そして流通コストの増加など、多くの構造的な問題に直面しています。これらの課題を解決するための選択肢の一つが、営農型太陽発電の取り組みであり、持続可能な農業生産を目指す重要な一歩となると考えています。営農型太陽光発電は、エネルギー自給によるコスト削減のみならず、農業法人や農業従事者が副収入を得ることにより、農業経営の持続可能性を支える一助となることが期待されます。

太陽光発電の更なる推進と農業関係者の所得向上、農業分野の脱炭素実現を目指して
本研究を通じて、太陽光発電の更なる推進、農業法人や農業従事者の所得向上、そして農業分野における脱炭素等を目的に、垂直式太陽光発電設備の有用性を検証しています。

垂直式太陽光設備の営農型太陽光発電への活用は日本では事例が少ないものの、積雪時のメンテナンスの簡易さや雪の反射光も利用した発電量の確保等、その実用性や経済性が確認されれば、積雪地域における営農型太陽光発電の1つの最適解であると考えています。

今後、本実証実験で得られたデータを元に、北海道をはじめ積雪地域の酪農家向けに垂直式太陽光発電の営農型太陽光発電を提案し、牧草地での新たな自家消費システムや地域脱炭素のための再エネ電源としての普及促進を考えています。

【2024年度ソーラーウィーク大賞受賞審査結果】
https://www.jpea.gr.jp/feature/solarweek/2024result/

【『農業×エネルギーの新たな可能性を拓く~垂直式太陽光発電を活用した牧草地の持続可能な利用に関する実証研究~』】資料
https://www.jpea.gr.jp/wp-content/uploads/solarweekaward2024_hokkaido_ebetsu.pdf