自然電力グループのエネルギー管理システムが三井不動産のエネルギー・リソース・アグリゲーション事業の実証実験の統合システム構築に向けた連携パートナーに選定
自然電力株式会社(以下、自然電力)は、グループ会社にて開発・運用するアグリゲート・エネルギー管理システムが、三井不動産株式会社(以下、三井不動産)が2025年2月20日付で発表したエネルギー・リソース・アグリゲーション事業の一環として2025年冬より実施する実証実験(以下「本実証」。*1)において、分散型エネルギーリソースを統合制御するAC/RAシステム(*2、*3)構築に向けた連携パートナーに選定されたことを発表します。
2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、再エネ電源や蓄電池等の分散型リソースを最大限活用し、安定した電力システムを構築していくことが重要な課題とされています。こうしたなかで、電力系統の安定運用に向け「需給調整市場」が設立され、需要側が電力使用を制御することで生まれる「調整力」を売買する仕組みの本格運用が24年度より開始されています。
三井不動産は、不動産業界初の取り組みとして、不動産アセットが有する分散型エネルギーリソースを統合管理・制御することで生まれた調整力を売却するエネルギー・リソース・アグリゲーション事業の環境整備に向けた実証実験に着手しました。本実証では、街全体でエネルギー利用の最適化を進める「柏の葉スマートシティ」等の三井不動産の保有・管理アセットを舞台として、空調機器、給湯器、発電機、蓄電池、EV充電器等の分散型エネルギーリソースの統合管理・制御を行い、需給調整市場向けの調整力を創出します。パートナー各社が連携して複数の実証実験を段階的に実施することで、事業経済性を評価します。
自然電力グループのエネルギー管理システム「Shizen Connect」(以下、「Shizen Connect」)は、家庭用蓄電池を制御するVPPプラットフォームとして複数の大手小売電気事業者に採用されています。また、家庭用蓄電池にとどまらず、EV普通充電器(*4)やV2H機器(*5)、家庭用ヒートポンプ給湯機(*6)など幅広いエネルギーリソースとの連携を進め、卸電力市場向け制御、需給調整市場向け制御、需要創出DR制御(*7)など様々な制御種類での実証を実施してきました。
本実証の中で「Shizen Connect」は、分散型エネルギーリソースを統合制御するAC/RAの統合システム環境整備に向けた検証を行います(図1)。
三井不動産株式会社 執行役員 イノベーション推進本部 ベンチャー共創事業部長 髙波 英明
当社は、グループ長期経営方針「& INNOVATION2030」において「産業デベロッパーとして社会の付加価値の創出に貢献」すること、また、「脱炭素社会実現に向けたグループ行動計画」において「社会と共生・共存・共創し、時代のニーズに応える新しい価値の創造に挑戦」することを掲げ、事業活動を進めております。再生可能エネルギー主力電源化に向けて、日本有数の電力需要家の1社である当社の強みを生かした提供価値を詳細化していくべく、VPPプラットフォーマーのShizen Connectと連携し、エネルギー・リソース・アグリゲーション事業の実証・開発を進めてまいります。
自然電力株式会社 代表取締役 磯野謙
自然電力グループは、自社のパーパスとして掲げる「青い地球を未来につなぐ」のもと、国内外へ再エネソリューションを提供してきました。脱炭素社会の実現に向けたさらなる貢献のため、VPP事業や、企業向けの脱炭素支援サービスなどの脱炭素テクノロジー・ソリューション領域を強化しています。「まちづくりを通じて未来をつくる」というビジョンを持つ三井不動産との協業により、新しい事業領域への脱炭素ソリューション提供を加速させてまいります。
*1 再生可能エネルギー主力電源時代を支える新事業領域 業界初 不動産アセットが有する分散型エネルギーリソースを活用した「エネルギー・リソース・アグリゲーション事業」の実証実験を開始(2025年2月20日付プレスリリース)
https://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/news/2025/0220/
*2 AC(アグリゲーションコーディネーター):複数のRAをとりまとめ、送配電事業者や電力市場等に対して電力取引を行う事業者。
*3 RA(リソースアグリゲーター):需要家とVPPサービス契約を締結し、分散型リソースの制御や管理を行う事業者。
*4 YanekaraとShizen Connect、EV充電制御によるVPP実証を東邦ガスと共同で実施(2024年6月17日付プレスリリース)
https://www.shizenenergy.net/2024/06/17/yanekara_sc_vpp_joint_demo/
*5 Shizen Connect、EVからの充放電を利用した国内最大級のVPP実証を完了(2024年2月16日付プレスリリース)
https://www.shizenenergy.net/2024/02/16/sc_ev_vpp_demo_complete24/
*6 Shizen Connectとダイキン、大手電力3社と再エネ余剰電力の有効活用に向けた共同実証を実施(2024年7月31日付プレスリリース)
https://www.shizenenergy.net/2024/07/31/daikin_sc_eq_demo/
*7 DR(ディマンド・リスポンス)制御:電力の需要と供給のバランスをとる目的で、需要家側の電力使用量を制御することによって電力パターンを変化させること。なかでも、需要家側機器の稼働や蓄電池の充電等により、ある時間帯の電力需要量を意図的に増やすDRのことを「需要創出DR(上げDR)」と呼ぶ。
【エネルギー管理システム「Shizen Connect」について:https://www.se-digital.net/】
「Shizen Connect」は蓄電池・EV・エコキュートなどのエネルギー機器をIoT/AI技術で制御し、その制御価値の電力市場取引などを行うエネルギー管理システムです。ピークカットによる電気代削減やマイクログリッドの構築、そして各種電力市場向け制御によるVPP(仮想発電所)の構築などを実現します。家庭用蓄電池のVPPプラットフォームとして東京ガスや東京電力エナジーパートナー、東北電力、北陸電力などに採用され、系統用蓄電池の制御では大阪ガスや東急不動産、西鉄グループなどに採用されています。
【自然電力株式会社について】
2011年6月設立。「青い地球を未来につなぐ」を掲げ、太陽光・風力・小水力・バイオマスによる再生可能エネルギー発電所の開発・資金調達・アセットマネジメントを手掛けています。2016年より海外事業にも注力しており、東南アジア・ブラジルを中心に開発・発電事業を展開しています。また、2019年からはエネルギーテック事業に参入し、自社開発のEMS(エネルギー管理システム)により、マイクログリットやVPPの構築やEVのスマート充放電サービス等を提供しています。これまでグループとして国内外で 1 ギガワット以上の再生可能エネルギー発電事業に携わっています。
・本社:福岡県福岡市中央区荒戸1丁目1番6号 福岡大濠ビル3F/6F
・代表取締役:磯野謙、川戸健司、長谷川雅也
・URL:http://www.shizenenergy.net