太陽光発電システム・蓄電池・最適制御システムを組み合わせた 「ミニマムグリッド」をサービス提供開始 ~第一号事例として福祉施設での災害対策とコストカットを両立~
自然電力株式会社(代表取締役:磯野謙、川戸健司、長谷川雅也、以下「自然電力」)は、この度、太陽光パネル・蓄電池・最適制御システムを組み合わせた「ミニマムグリッド」のサービスを正式に提供開始いたしました。また、第1号事例として、宮崎県都城市の福祉施設において設備導入を行い、2020年5月に運転開始、2020年6月10日に引き渡しを完了いたしましたのでお知らせいたします。
「ミニマムグリッド」は、自然電力が提案する、太陽光パネル・蓄電池・最適制御システム(EMS:Energy Management System)を組み合わせた太陽光発電システムです。よく晴れた日には電気を自給自足し、火力・原子力などの大規模な発電所や送電線に頼る時間を減らし(ミニマムにし)ます。平常時では、電気代が高い時間帯や電力使用量が多い時間帯に積極的に蓄電池の電気を利用し(ピークカット)、より安く電気を利用できるほか、停電時にはエネルギー拠点として独立して電気を供給いたします。施設単体の防災対応力を高めるだけでなく、地域コミュニティにおける防災用のエネルギー拠点としての活用が見込まれます。ミニマムグリッドでは太陽光パネル・蓄電池・最適制御システムを組み合わせたメリットを最大限活用しながらも、くもりが続く時期や電力を多量に使う時は送電線から電気を購入するため、安定して電気を利用できます。
また、導入にあたっては、【1】需要家が補助金等を活用して自己所有する方式と、【2】第三者所有・電力販売(TPO-PPA)モデル(*1)により施設側の初期設備投資をゼロとする方式の2種類をご提案し、施設側の設備導入によるハードルを軽減いたします。
第一号事例として、この度、宮崎県都城市の特別養護老人ホーム施設「長遊園」(以下、本施設)にて太陽光発電設備(200kWp)と、Tesla社の産業用蓄電池Powerpack(出力58kW/容量232kWh)・最適制御システムを一括で導入いたしました。本施設では、2017年の台風18号による数日間の停電を経験し、長期停電時でも入所者の健康のために電気を安定供給し、空調環境・ケア設備が維持できるようにすることを経営課題として考えていました。
今回のミニマムグリッドの導入により、本施設では、災害時に停電した場合でも、夏季・冬季の冷暖房など最低限必要な設備を最短2日程度、晴れの日が続けばそれよりも長い間維持できます。また、当初より本施設の電気代は、同規模の施設に比べ節電仕様のため約半分まで効率化されていますが、さらなる電力購入量の削減が見込まれています。
ミニマムグリッドの全体イメージ:
太陽光パネルや蓄電池からの電気を優先的に利用し、不足時には送電線からの電気を利用します。
ピークカットのシミュレーションイメージ(*2):
蓄電池に充電した電気を、電力消費量が多い「ピーク」時や夕方・夜間使用時に優先的に利用し、送電線からの電力購入量を削減しています。
自然電力は「青い地球を未来につなぐ」ことを自らのPURPOSE(存在意義)として掲げ、より多くの人々が地球上で幸せに暮らし続けるために、世界中で自然エネルギー発電所をつくり安全で持続可能な電気が使われる暮らしを広げていくことを目指しています。今後も地域における分散型電源の普及と、高品質かつ地域に根差した自然エネルギー発電所の開発・建設・運営・保守を通じて、“自然エネルギー100%の世界”の実現を加速させてまいります。
■事業概要
太陽光発電設備 定格出力 | 200kWp |
蓄電池 出力/容量 | 58kW / 232kWh (Tesla社製産業用蓄電池Powerpack) |
導入施設および所在地 | 社会福祉法人莞爾会「長遊園」(宮崎県都城市高野町) |
完工日 | 2020年6月10日 |
施設外観
Tesla社の蓄電池Powerpackを設置(自然電力はTesla社産業用蓄電池の認定施工会社です)
【参考】
*1 【2】第三者所有・電力販売(TPO-PPA)モデルを利用する場合は、発電事業者(自然電力)が設備設置に伴う初期投資を負担し、電気を需要家(施設オーナーなどの電力利用者)に販売いたします。
*2 本シミュレーションの値は、本施設における特定条件下を想定した場合の参考値です。