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環境意識の高まりとともに、「再生可能エネルギー」が多くの企業や消費者から注目されています。EKOenergy(エコエナジー)のエコラベルを購入することで、持続可能な発電をサポートするとともに、新たな再生可能エネルギープロジェクトへの貢献も可能になります。
この記事では、EKOenergyの概要や購入方法、導入事例を解説します。
目次
EKOenergyとは?
EKOenergyはフィンランド発祥のエコラベルを認証する非営利団体です。EKOenergyの発行するエコラベルは再生可能エネルギー(電力、ガス、熱)に付与され、欧州を中心に80カ国以上で使用されています。ラベル購入者は自社サービスや自社商品が環境に配慮していることを証明するだけでなく、気候基金を通じて途上国のエコプロジェクトを支援することもできます。
EKOenergyの役割
- 再生可能エネルギー基準の設定と評価
- エネルギー貧困対策
- 国際的なエネルギー市場構築
EKOenergyは、持続可能性や環境保護の観点から再生可能エネルギーの基準を設定し、評価を行います。また、気候基金を通じて、生活に必要なエネルギーサービスを十分に享受できないエネルギー貧困への対策も進めています。途上国はEKOenergyによる環境対策支援を受けることが可能です。さらに、トラッキングシステムによって、透明性の高い国際的なエネルギー市場の構築にも大きな役割を果たしています。
EKOenergyが選ばれる理由/メリット
- 国際的に認知度が高い
- 環境配慮を顧客や社会に明確に示せる
- 他のエコ証明制度との整合性がある
EKOenergyは国際的に認知されたエコラベルです。欧米を中心に、2024年時点で83か国で導入され、多くの企業に購入されています。同ラベルを使用することで、企業は環境配慮を顧客や社会に明確に示すことができます。また、他のエコ証明制度と整合性が高いといった点にも注目です。エコ建築を推進するための国際的な認証制度「LEED認証」では、EKOenergyラベル付き電力を使用することで建物に追加ポイントが与えられます。
EKOenergyのエコラベル基準
EKOenergyのエコラベル基準は、トレーサビリティ、持続可能性、追加性、そしてラベル基準の維持といった4つの柱を中心に構成されています。この基準が守られることで、ラベル付きエネルギーの品質と信頼性が確保されます。
1. トレーサビリティ
トレーサビリティはEKOenergyエコラベルの重要な基準の一つです。トレーサビリティが確保されていれば、使用されている再生可能エネルギーの由来を確認できるだけでなく、二重カウンティング(同じ電力の環境価値が二重に使われること)の予防にもつながります。ヨーロッパでは「Guarantees of Origin(GO)」、北米では「Renewable Energy Certificates(RECs)」、その他の地域では「I-RECs」などの信頼できるトラッキングシステムによる電源証明が使われています。
2. 持続可能性
持続可能性を確保するために、発電設備が環境に与える影響についてEKOenergy独自の評価基準を設けています。例えば、風力発電や太陽光発電は自然保護区や重要な鳥類生息地の外に設置される必要があります。また、水力発電では、河川の連続性を維持し、魚道を備え、河川生態系への影響を最小限に抑えることが求められます。
3. 追加性
EKOenergyは、再生可能エネルギーの普及を促進するため、追加性(新たな再生可能エネルギー設備の増加を促す効果があること)を重視しています。ラベル付きエネルギーを購入することで1MWhあたり0.10ユーロが気候基金に拠出されます。この資金は途上国の新規クリーンエネルギープロジェクトに使用され、エネルギー貧困の解消や環境保護を推進します。
4. ラベル基準の維持
EKOenergyは、ラベル付きエネルギーに対し継続的な監査を行っています。必要に応じて独立した外部機関による検証も行い、制度の透明性と信頼性を確保しています。事業者はEKOenergyの基本文書「EKOenergy – Network and label」で最新情報を確認し、必要に応じた対応が求められます。
EKOenergyエコラベルの購入方法
ここでは、EKOenergyエコラベルの購入方法を解説していきます。
1. 認可販売者であることを確認
認可販売者はEKOenergyと契約を締結しており、毎年基準を満たしているか監査を受けています。購入者は、EKOenergyのWEBページより認可販売者を確認することが可能です。
2. エネルギー調達方法を選択
エネルギー調達方法として、グリーン電力料金プラン、PPA(電力購入契約)、エネルギー属性証明書の購入、オンサイト生産(例: 太陽光発電)があります。各社の条件に合わせて適切な調達方法を選択することが大切です。調達済みのエネルギーにエコラベルを付与したい場合は別途お問い合わせください。
3. 契約手続き
EKOenergyラベル付きエネルギーの料金体系を確認し、契約手続きを進めます。
4. ラベルの使用と報告
EKOenergyラベルを使用するには、事前にEKOenergy事務局に通知する必要があります。ロゴ利用時には、具体的な利用方法を明示します。
なお、EKOenergyラベル付きエネルギーの使用証明のために、エネルギー属性証明書(GO、RECs、I-RECs)やEKOenergy認定契約書が必要になります。これらの書類を基に消費記録と報告書を作成し、提出します。
【発電事業者向け】EKOenergyエコラベル付きエネルギーの販売方法
事業者は販売した後も年次監査と報告をする必要があります。このシステムによって、EKOenergyラベルの正当性が確保されます。
- EKOenergyとの契約締結
発電事業者がEKOenergyラベル付き電力を販売するには、事前にEKOenergyとの契約を締結する必要があります。契約後に基準を満たしたエネルギーに対し、ラベル付きで提供する権利が得られます。 - 基準に適合した発電施設の認証
発電施設は、EKOenergyの持続可能性基準に準拠していることを証明する必要があります。例えば、風力発電は重要な生物多様性地域外に設置されなければなりません。水力発電は魚道や連続的な水流を妨げない設備が求められます。 - EKOdirectデータベースへの登録
認可された発電施設は、EKOdirectデータベースに登録され、EKOenergyラベル付きエネルギーとして販売可能な設備としてインターネット上で公開されます。 - ラベル付きエネルギーの販売
EKOenergy基準を満たしたエネルギーは、ラベル付きで顧客に販売されます。 - 年次監査と報告
発電事業者は、EKOenergyラベル付きエネルギーの販売量や起源を記録し、毎年の監査を受けます。
EKOenergy導入事例
EKOenergyのエコラベルによって、持続可能なエネルギー利用を証明する企業が増えています。ここでは、EKOenergyのエコラベルを使用して具体的な成果を上げている企業事例を紹介します。
マイクロソフト
Microsoftは、EKOenergyラベル付きエネルギー属性証明書(EACs)の購入を通じて、再生可能エネルギーの普及に貢献しています。
また、EKOenergy気候基金を通じた同社の支援により、ケニアのヴィクトリア湖の漁村で太陽光発電による冷却システムが設置されました。この環境サポートによって、飲料水供給が改善され、2,000世帯が氷と安全な水を20%低価格で利用可能になりました。これにより捕獲した魚の保管中のロス減らすことにもつながっています。
Toyota Baltic AS
LexusとToyotaの輸入業者であるToyota Baltic ASは、エストニア・タリン本社でEKOenergyラベル付き電力を導入しています。
同社は、再生可能エネルギーの利用を通じてCO2排出削減を目指しています。また、社内啓発やバルト三国での情報公開を通じて、再生可能エネルギーの重要性をサプライチェーン全体に伝える取り組みも進めています。
SAP
SAPはドイツに本社を置く世界的なソフトウェア企業です。同社はすべてのデータセンターとオフィスに100%再生可能エネルギーの使用を宣言するため、EKOenergyラベル付き電力を採用しています。
SAPは、2050年までに温室効果ガス排出量を2016年比で85%削減する目標を掲げており、国連の持続可能な開発目標(SDGs)にも沿った取り組みを進めています。
まとめ
EKOenergyは環境配慮への取り組みを示すエコラベルとして、多くの企業に選ばれています。再生可能エネルギーの普及だけでなく、気候基金を通じた途上国への環境支援も実現させます。持続可能な未来を目指す第一歩として、EKOenergyラベルの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
自然電力株式会社はEKOenergyの正規代理店です。EKOenergyについてのご不明点、ご質問がございましたらお気軽にお問い合わせください。