K-REC普及が進む韓国 – その背景と日本企業が導入するメリットを解説

GXが世界的に進むなか、RECの普及が韓国で本格化しています。再生可能エネルギー発電の比率の引き上げは韓国政府の目指すところです。これからRECが果たす役割は大きくなっていくことが予想されます。

本記事では韓国のエネルギー事情、そして日本企業がK-RECを導入するメリット、これからのK-RECの課題について解説します。

K-RECについて

REC(Renewable Energy Certificate) は、再生可能エネルギーで発電された電力の環境価値を証明する証書です。企業はRECを購入することで、使用電力に相当する量の再生可能エネルギーを調達したと見なされ、再エネ由来電力の使用を主張することが可能になります。

韓国のREC制度はK-RECと呼ばれ、国内法である「新エネルギー及び再生可能エネルギーの開発、利用及び普及促進法」に基づいて運用されています。

※本記事では、韓国政府が発行する環境証書を「K-REC」と紹介します。

K-REC、I-REC、K-ETSの違い

項目K-RECI-RECK-ETS
目的再エネ発電の証明(RPS義務達成)グローバルでの再エネ利用証明GHG排出削減の証明
対象韓国国内の電力市場世界中の企業韓国の大規模排出事業者
取引単位1REC/1MWh発電1I-REC/1MWh発電1排出枠/1tのCO換算
取引市場韓国内のREC市場(韓国電力取引所など)国際市場(I-REC Standard Registry)韓国国内の排出権市場
利用目的
  • RE100, CDP, などの国際的なイニシアティブに対応
  • 電力会社のRPS義務達成
  • 国内のESG評価向上
  • RE100, CDP, などの国際的なイニシアティブに対応
  • 国際的なESG評価向上
  • GHG削減目標の達成
  • 炭素コスト管理
監督機関産業通商資源部(MOTIE)International REC Standard韓国環境部(MoE)
国際互換性あり(国際認証)あり(国際認証)なし(韓国内のみ)

 

韓国ではREC以外にも、環境対策プロトコルが存在します。K-RECはRECのことです。特に韓国のREC制度を国際的な文脈で説明する際に「K-REC(Korea-REC)」表記で使用されます。

I-REC(International Renewable Energy Certificate)は、再生可能エネルギーで発電された電力の「環境価値」を国際的に証明する証書です。国際的なイニシアティブであるRE100が認める再エネ調達手段の一つとして認められています。一方で、韓国のRECはRE100に使用できません。

K-ETS(Korean Emissions Trading Scheme)は、企業の温室効果ガス排出量を上限内に抑えるための取引制度です。低炭素グリーン成長基本法に基づいて運用されており、韓国国内のGHG削減を目標にしています。

そのほか、韓国には韓国電力公社(KEPCO)が運営しているグリーンプレミアム制度(電気料金とは別に割り増し料金(プレミアム)を払い、納付額に応じて韓国電力が再生可能エネルギーの使用を証明する制度)があります。しかし、国際基準を満たしていないといわれているため、グローバルに事業を展開する企業にはI-RECのれているため、グローバルに事業を展開する企業にはI-RECの購入を推奨します。

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