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タイは、現在6,000社を超える多種多様な日系企業が進出しており、重要な事業拠点の国の一つです。世界的な脱炭素化の潮流を受け、タイ政府は持続可能な経済社会の実現やGHG(温室効果ガス)排出量削減のための施策を推進してきました。
そのような状況の中、削減の選択肢の一つとして、環境証書が注目されています。本記事では、国際的な再生可能エネルギー電力証書「I-REC」を軸に、タイにおける環境証書・カーボンクレジットの活用によるGHG排出量削減について解説します。脱炭素化により自社の競争優位性を高めたいと考えている企業のご担当者の皆様はぜひご一読ください。
I-RECについて
I-RECの基本ルール
「I-REC(International Renewable Energy Certificate)」は国際的な再生可能エネルギー電力証書(環境証書)の一つです。企業や自治体はI-RECを活用することで、再生可能エネルギーによる発電で作られた環境負荷の少ない電気を使用していることを証明できます。I-RECはどこでどのように発電されたのか、つまり、電気の産地や、太陽光・風力・水力・バイオマスなどの電源の種別といった「再エネ属性」を明示します。企業や自治体などの電気利用者(需要家)は、I-RECを活用して排出量をオフセットすることが可能です。オランダの非営利団体「The International REC Standard Foundation (I-REC Standard)」 が標準化を担い、アジア、アフリカなど60カ国以上の国と地域(2025年4月時点)で発行・利用されています。
I-RECの発行要件は、原則として再生可能エネルギーによって発電された電気であり、同電源から同時の電力に対して他の環境証書・カーボンクレジットが発行されていないことが条件です。再エネ属性のみならず、I-RECでは発行状況をトラッキングし重複発行を防止することで、証明書としての透明性と信頼性を担保しています。また、I-RECはグローバルな基準に基づいて発行され、利用国数も多いことが特徴です。複数の国で事業を展開するグローバル企業でも、統一的な電源証明として活用できる点が大きなメリットの一つです。I-RECは特に、SBT、CDP、RE100といった国際的なイニシアティブへの報告にも活用できるため、企業や自治体が電気由来のCO2排出量を削減し、環境へ配慮して活動している姿勢を示すことができます。
【関連記事・ガイドブック】 記事:I-RECとは?メリットや活用方法、非化石証書などとの違いを紹介 ガイドブック:主要なイニシアティブの特徴解説 |
タイでI-RECの利用が増える理由
多くの排出割合を占める電気由来のGHG排出量を削減するにあたって、環境証書の活用は世界でも一般的な選択肢の一つです。タイでは、環境証書の利用は政策に基づく要件を満たす手段としてタイ政府に認められており、Scope2のCO2排出削減手段としてI-RECを活用できます。
I-RECを発行するための手続きは、…
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