持続可能な営農モデルの確立
営農を継続しながら、農場で発電した電力を販売することで、新しい収入源を確保できます。
※ 電力販売の可否は地域によって異なります。
人々の生活を支える「農業」と「エネルギー」
これらをより持続可能な形で、自らの手で生み出せば、
地域の未来はもっと輝ける。
収益性と持続可能性を兼ね備えた新しい営農モデルを生み出せば、
農業をとりまくさまざまな課題を解決し、
地域の豊かさを最大限に引き出せると私たちは考えています。
農地を利用して、「美味しい農作物」と「役立つエネルギー」を作る。
自然電力では、Re+Farmingプロジェクトを始動しています。
農地の上に太陽光パネルを設置し、太陽光(ソーラー)を農業と発電の2つで共有(シェアリング)する取り組み。農業と発電を同時に行うため「営農型太陽光発電」とも言います。
太陽光が農業に不可欠なことはもちろん、同時に発電にも活用することで収益増やエネルギーコスト削減、耕作放棄地の再活用など、持続可能な新たな営農モデルとして注目されています。
営農を継続しながら、農場で発電した電力を販売することで、新しい収入源を確保できます。
※ 電力販売の可否は地域によって異なります。
エネルギー価格の高騰が続く中、自家発電した電力を活用することで、エネルギー価格の影響を受けにくくなり、農業経営へのコスト増を抑制することが期待できます。
太陽光発電で得た電力を栽培・収穫・製品化の過程で活用することで、地球環境に配慮した農作物・製品としての付加価値が生まれます。
農業従事者の高齢化や減少の影響から拡大しつつある耕作放棄地を地域の新たな資源として再生し、エネルギーと農作物の両方を生み出す場として活用することが期待されています。
太陽光発電という再生可能エネルギー設備は、電気の地産地消を促進し、地域の脱炭素化に貢献します。また脱炭素経営を目指す企業からも注目されている取り組みです。
藤棚式とは、農地から3m程度の高さに、間隔をあけながら太陽光パネルを設置するタイプです。
垂直式は両面受光型の太陽光パネルを地面に対して垂直に設置するタイプ。
自然電力では、太陽光パネルの設置が難しかった積雪エリアでも設置が可能な「垂直式」をおすすめしています。
パネルの設置面積を確保しやすく、発電効率が高い構造
角度を調節できるため、日照量に応じて最適な角度に設定することができます。太陽光の受ける量を最大化し、発電効率を高めることが可能です。
積雪地域でも冬場の発電を効率的に行える構造
「垂直式」は直接光に加え拡散光や反射光も捕らえられる設計で、特に積雪時には高い発電量が期待できます。
朝夕2度の発電ピークで電気を有効活用しやすい構造
両面受光型パネルを東西向きに設置し、朝夕2度の太陽光を効率的に捉えることができます。発電ピークと需要ピークが合致し、電気を有効活用できます。
パネルの角度調整により作物に均等に日光を当てやすい構造
日陰を作りやすく、夏場の作業負荷を軽減しやすい構造
大型農業機械による営農に適した構造
地面の占有面積が少なくすむ構造
積雪によって発電できなくなることがあり、さらに雪の荷重を受けることがあります。
積雪があっても太陽光パネルには雪が積もりにくいことから、発電はできます。
2023年12月、北海道江別市に位置する酪農学園大学様のほ場に垂直式太陽光発電設備を設置。垂直式太陽光発電設備の有用性を評価するとともに、営農との共存について実証実験を行っています。
2023年3月、宮城県東松島市の「東松島麗鷲(うるわし)実験場」に垂直式太陽光発電設備を建設。水稲・牧草・野菜類などの栽培に挑戦しています。
2021年に鹿児島県志布志市内の畑や耕作放棄地など3つのエリア(合計34,401㎡)の土地で、出力約2.19MWp(パネル定格出力)のソーラーシェアリングを建設。「農業×再エネ」で耕作放棄地を蘇らせることや農業経営の安定化・持続化に挑戦しています。
この取り組みは、ソーラーシェアリング事業のリーディングカンパニーである千葉エコ・エネルギー㈱様のアドバイスを受けながら、志布志市内で農業を営む㈱たかとみファーム様に土地の提供と営農を担っていただき、自然電力が発電事業の指揮を執っています。
農地での発電設備導入には初期投資が必要であり、導入のハードルになっています。一方で、営農者は土地を提供した上で営農の受託料を受け取り、設備導入・運用は設置事業会社が担う(負担する)という枠組みなど、農業経営への負担を低減する方法もあります。
導入期間は農地の規模によって変わりますが、電力系統への接続容量が50kW未満の場合は半年から1年程度、50kWを超えると電力会社との手続きに時間がかかり、導入までに1~2年かかります。
また設備導入には数か月間の工事が必要なため、その間はどうしても農作業を停止せざるを得ません。そのため、農業計画と導入時期などをすり合わせ、影響を最小限に抑える工夫が必要です。
農地での発電設備導入には、農地の一時転用許可を取得する必要があり、地域によってはそのための情報収集、資料作成、農業委員会への説明に時間と労力が必要となるケースもあります。取得後も3年おき(条件を満たせば10年に延長可)に再申請が必要です。
また、毎年の収量報告も必要になります。
自然電力では、申請手続きのために必要な一連の取り組みを全面的にご支援しています。
農地の一時転用許可を取得するには、20年間の営農を継続することが前提となりますので、例えば高齢の方の場合は、後継者を確保しておく必要があるなど、中長期的な視点で検討することが求められます。
農作物には「光飽和点」といって植物の光合成においてこれ以上光を強くしても光合成の量が増えなくなる特性があるので、それを踏まえてそれぞれの農作物に適した日射量を確保できるように支柱間隔の調整や太陽光パネルの設置することが重要です。
農地での発電設備導入には、支柱の高さ・間隔等からみて農作業に必要な機械を利用できる空間を確保していることが条件ですので、その点は設計の際に考慮されます。
ただし、トラクターなどの運転の際には支柱の位置に注意する必要は生じます。
なお、垂直式太陽光発電設備は大型機械を使用する頻度の高い農場により適しているでしょう。
光飽和点とは、植物の光合成においてこれ以上光を強くしても光合成の量が増えなくなる点をいいます。
この性質を利用し、農作物を栽培中の畑の上部で太陽光発電を行うのが、ソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)です。
光飽和点を超えて降り注ぐ太陽光を余剰なエネルギーと考え、それを使って発電を行う仕組みです。
ソーラーパネルによってどの程度太陽光を遮るかという割合です。ソーラーシェアリング協会によるとソーラーパネルを置かない状態の30%程度が目安とされることが多いようです。 作物ごとの光飽和点を考慮し、適切な遮光率を設計することで農作物の生育への影響を最小限にしつつ発電も行えるのです。
詳しくはこちら農林水産省のデータによれば2013年度に100件程度だったソーラーシェアリングの導入は2020年度には3,500件弱にまで成長しています。2014年度には351件だった新規導入数は2020年度には779件と2倍以上の伸びを見せています。
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